梨友(りゆ)視点:パート1
私はいつもある1人の女の子の背中を眺めることしか出来なかった。
小学校から自分の話し下手のせいで常に友達ができず、1人ぼっちだった。
でもその時から憧れを抱いている人がいた。
瑠花ちゃん。
いつも体のどこかしらに痣があり、皆から心配されている女の子。
綺麗な顔立ちだが、あざのせいで隠れてしまっている。
その顔立ちの良さに気付いている人も少ない。
どうしても痣のことを真っ先に心配してしまうからだ。
今日も瑠花ちゃんの顔が見れると自分の席から瑠花ちゃんの一挙手一投足を見逃さない。
ただ、今日、この時、初めて視線があったのだ。
見てることがバレるのはまずい。
そう思って視線を外してしまう。
体もそわそわして落ち着かない。
でも初めて見てくれたという事実に喜びを抱く。
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