瑠花(るか)視点:パート1

鬱陶しい。

最初は音亜に色々相談とかして助けられた。

しかし、小学校以来、ずっとベタベタしてくる。

まるで私が親友かのように。

高校生になった現在でもだ。

私は自分の人間関係も大事にしたいのに、彼女がそうさせてはくれない。

それでもクラスの子達とスマホの連絡先を交換し、彼女についての愚痴を吐くことで何とか精神を保っていた。


家で友達と連絡をしていると父親が帰ってきた。

地獄の始まりだ。

いつものように苛立っており、母親にご飯を出すように命じる。

しかし、準備にあと30分はかかると分かるや否や、手を上げる。

10分くらいだろうか。

手を止め、母親を抱きしめ、何回も何回も何回も涙を流しながら謝る。

その姿に母親は幸せそうな顔をするのだった。


父親が寝た後、今度は私の番だ。

母親が私の自室に来て、なんで勉強してないの?とかなんでスマホばっかりいじってるの?とか何かとイチャモンをつけては父親にされてるように暴力を振るってくる。

母親のストレスの捌け口は私しかいないのだ。

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいと繰り返し謝りながら、顔を両手で隠すのが精一杯。

時には髪を掴まれ、お腹に思いっきり拳を立てられることもある。

その後に父親と同じように謝ってくるのだった。

その度に大丈夫だよ、お母さんも大変だねと慰めるしかできない。


次の日、教室に入ると、ふと教室の片隅にいる女の子目が合う。

目が合うとその子は慌てたように視線を逸らした。

あんな子いたっけ……。


「瑠花!!おはよう!!」


その一言にあぁ、今日も耐えなければとなるのだった。

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