Don't delay~準備はいいか~⑪
準備を整えた潤さんは私の腰を引き寄せ、ゆっくりと私の中へ入り込む。
「あったかいな……」
潤さんは微笑みながらそう呟いて、私の唇に優しいキスをした。
「好きだよ、志織」
「私も……潤さんが好き……大好き……」
私がそう言ってキスをすると、ゆっくりと私の中を刺激していた潤さんが、突然口の中を舐めあげるように激しく舌を絡めた。
「志織、ホントにかわいい……。俺もう抑えきかない。今日はずっと寝かせてあげられないと思うから、覚悟して」
「えっ?今日はずっと、って……」
今夜の間違いじゃないのかと尋ねようとすると、潤さんは私の体の奥の深いところを突き上げた。そして何度も何度も激しく腰を打ち付ける。
「は……激し……!ちょっと待って……!」
「ダメ、待てない。こういう俺も見たいっていったのは志織だよ?」
「たしかに言ったけど……言ったけどーっ!!」
想像を絶する潤さんの甘さと激しさに翻弄されながら、私は全身で溢れんばかりの潤さんの愛を受け止めた。
お互いに疲れ果てて眠りの淵に落ちる頃には、外はすっかり明るくなっていた。
何度も愛され、数えきれないほど昇りつめて果てた体を大好きな潤さんに優しく抱きしめられて、幸せな余韻を噛みしめながら眠った。
日射しの眩しさと頬に触れるくすぐったい感触に目を覚ました。
ゆっくりまぶたを開くと潤さんが私の頬にキスをしていて、私が目を覚ましたことに気付くと、嬉しそうに笑って私の体をギュッと抱きしめた。
「おはよう、志織」
「おはよう……。ずっと私の寝顔見てたんですか?」
「うん。志織の寝顔見ながら、夢みたいだけど夢じゃなかったらいいなって思ってた」
ずっと寝顔を見られていたのは恥ずかしい。
布団を引き上げて顔を隠そうとすると、潤さんは私の両手をつかんでベッドの上に押し付ける。
「隠したらダメ。もっと志織のかわいい顔見たい」
「かわいいって……」
潤さんのストレートな甘い言葉がなんだか照れくさくて、思わず目をそらす。
「ゆうべもめちゃくちゃかわいかったなぁ……」
「もういいってば!恥ずかしいから言わないで!」
「志織ホントにかわいい。食っちまいたい。あー、ヤバイな……またしたくなってきた」
「えぇっ?あんなにしたのに?!」
ゆうべ何度もしたのに、またあんなに激しくされたら、さすがにこれ以上は身が持たない。
両手の自由を奪われたままなんとか逃げ出そうと身をよじると、潤さんは意地悪な笑みを浮かべて私の体を抱き寄せた。
「今まで誰と付き合っても本気で好きになれなかったし、欲情したこともなかったけど……。こんなに好きになったのも、かわいいとか抱きたいって思うのも、あんなに夢中になってがっついたのも、全部志織が初めて」
こんな風に言われるともちろん嬉しい。私は潤さんの特別な存在で、ものすごく愛されているのだと思えた。
潤さんは私の手を優しく握りながら唇にキスをした。
「優しいだけじゃない俺のこと、きらいになった?」
「……好き……全部大好き」
「俺も志織が大好き。志織にはずっと煽られっぱなしだ」
そう言って潤さんはお互いの体と体の隙間がなくなりそうなほど私の体を抱きしめた。いや、抱きしめると言うよりはピッタリと体をくっつけるとか、肌を押し付けると言う表現の方が適しているだろうか?
そのとき、私の体にピッタリとくっついて、お腹の辺りで主張している熱いものに気付く。
「え……えっ、もうこんな……えぇっ?!」
「うん、志織がかわいすぎるせいで、またこうなった。責任取って」
「そんな……あっ……!」
ゆうべ何度も愛された余韻が残る敏感な体は、潤さんにほんの少し触れられただけでまた熱を帯び、あっと言う間に潤さんを受け入れる準備を整える。
潤さんは私の中を優しくかき混ぜていた長い指を引き抜くと、私の腰を引き寄せ、ゆっくりと私の体の奥まで入り込む。
「今度はめちゃくちゃ優しくする」
耳元で囁かれるとそこから全身がしびれるような感覚に陥り、私は甘い声をあげながら潤さんの背中にしがみついた。
そしてそのまま抗うこともせず快感の波に身を委ね、身も心も潤さんでいっぱいに満たされている幸せを噛みしめた。
それから時間が経つのも忘れ、ベッドの上でイチャイチャしたり愛し合ったりをくりかえした。
何度かそろそろ起き出そうとしたけれど、やっぱりまだもう少しこうしていたいと言っているうちに、外は日が暮れ始め、明るかった部屋の中は薄暗くなってきた。
「もう夕方ですよ。さすがにこれはまずいでしょう」
「騙し騙しここまで耐えたけど、いい加減何か食べないとな。起きようか」
潤さんは勢いよく起き上がると私の体をゆっくりと抱き起こし、また何度もキスをした。
「潤さん、こんなことしてるとまた起きるの面倒になっちゃうから……」
「あっ、そうか」
もう一度軽くキスをして、お互いの額をくっつける。
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