釣った? 釣る気がない?
私は今でも少し、
あれはどうしてなのかと疑問に思わないでもないのだけれど、
夫は、会ったあと、あまりメールをくれなくなった。
それは、ひどく私を不安にさせた。
釣った魚にエサをやらないタイプ??
だったら、まだしも、
実際に二人で会ってみたら、私を気に入らなかったのかもしれない。
自分のこと、「あまりしゃべらない」「人の話を聞く方がいい」
そう言っていたからと言って、
いくらなんでも私、しゃべりすぎたのかしら?
うるさかったのかしら?
思えば、あの、メールをあまりくれなくなった時から、
私の宙ぶらりんで悶々とする日々が始まったと言っていい。
私はそもそも、夫の見た目(第一印象)はよかったのであって、
その好意は、二人で会ってみて、マイナスされなかったどころか、
ますますよいと思った。
でも、そのあとの夫の様子からすると、彼の中では
即「つきあう」とか「前向きな交際」へ、とはなっていかなかったのだなと思えた。
おそるおそる、また会う機会はあるのかどうかとお伺いのメールをした。
そう言ってもらって「ありがたい」という返事。(うれしい、とかではなく)
私たちは遠距離だったのだけれど、
夫が次にこちらに用事で来る日も書いてあった。
ただ、「来る」と。
万事が、こういう感じだった。
来る=会ってくれる気があるのか、それがわからない。
だから、毎回、来るのであれば私は会いたいけど、
そういう時間はありますか? と、こちらから訊く。
そして、その返事がすぐ来ない時など、
あまり積極的な気持ちがないのかな、と落ち込んだ。
返事が来ても、基本、素っ気ない文面だし、
返事が何日か後だったりすると、
OKだったとしても、「しかたなく」なのかな? と思った。
会ってくれても、
時間取らせて悪かったのかな、
楽しいのかな、それとも、あまり楽しくないけどムリしてみてるのかな。
いちいち、不安だった。
確かに、恋愛に邁進する人の気持ちがわからないとか、
どうしたら関係を押し進められるのかわからない、とは、言っていた。
それにしても、あまりにいつも、突き放してるように見える。
いずれにしても、相手がコトを進めてくれないなら、
そして、こちらが進めたいなら……こちらでするしかない。
そういうオクテな人が、なんとか会ってくれてるというだけでも、
貴重なことなのかもしれない。
不安に押しつぶされて、こちらが独り相撲で負けてしまってはいけない。
その一心で、毎回、このメールで終わりかもしれないとドキドキしながら、
ものすごい勇気を振り絞って、連絡を取った。
そんな私の気持ちや努力、わかってくれてたのかな(笑)。
知らないだろうな。
でも、結局、私といっしょになった。
あのころ、不安に負けて、すぐに気持ちがキレてしまわなくてよかった。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます