第42話


サタンの魂を飲み込んだハデスはルシファーの意識を精神世界へと呼んだ。



(ここは・・・精神世界か・・・?ってか何でこの世界に俺はいるんだ?)



俺は辺りを見回すと先の方から黒い魂が近づいてくるのに気づいた。

そしてその姿がはっきりと見えた時俺は確信した。



「あなたは初代大王様ですよね?その姿・・・俺は前に会ったことがあります。

それにタナトス協会に石碑もありました。大王様ですよね?」




俺が問いかけると大王は口を開いた。



「我が器よ、いや・・・ルシファーよ、我はお前の中で目覚めた。

我の力を使いこなしルシファー、お前が大王となるのだ。」



大王の言葉は俺に深く突き刺さり、何故だか心地よく感じた。



(なんだこの感じ・・・この世界に来てからずっと心の底から安心なんかしたことがなかった。

でも今はなんかすげー安心する。)



俺が余韻に浸っているとハデスが問いかけてきた。


「ところでルシファーよ、ベリアルの能力を譲渡されておるな?」



俺はとっさに下を向いてしまったが「はい・・・」とだけ答えた。

するとハデスは「やはりか・・・」といい話だした。



「ルシファーよ、ベリアルからは色々確認したいことがあるのでな、我の上に手をかざすのだ。」



俺は言われた通りにすると周りから黒い影?のようなものが湧き出てきた


「【ソウル・メテンプリコーシス】」


ハデスが能力を使うと周りから出てきた影のようなものが一点に集まり黒炎で燃え上がった。

すると炎の中から一匹の黒い猫が現れた。


俺は思わず「黒猫?」といいきょとんとした顔をさせていた。するとハデスが話だした。



「今の我ではこれが限界だ。肉体を作る出してやるほどの力が戻ってなくてな

ベリアルの魂を黒猫として転生させるのが限界だった。悪いなルシファー」



「これがべっベリアル様なんですか?」


ハデスの言葉に俺は驚きうまく答えることが出来なかった

すると黒猫が話し出した。



「何を驚いているのだ?ルシファーよ、大王様がせっかく転生させてくださったんだ。

それに転生させていただいた以上は私がルシファーの特訓をさせてもらうぞ。

私の能力、そして大王様の能力をうまく使いこなし受け継がれし転生者としてこの冥府を

まとめてもらうのだからな」



そして黒猫として転生したベリアルはハデスに深々と頭を下げた。


「大王様、こんな形とはなりましたがまたお会いできて光栄でございます。

こんな私を転生してくださったこと、深く感謝いたします。」




ベリアルが話すとハデスは黒い影のようなものを体にまとい話し出した。




「ベリアルよ、今の我はまだ完全ではない、転生したとはいえお前もそのような姿でしか

転生させられない、そして我はもはや大王ではない、受け継がれし転生者であるルシファーの一部に過ぎぬ

我は器であるルシファーの魂の共鳴により一体化し奴は3つの能力を扱う我をも超える大王になるだろう。」



ハデスはそういうとルシファーの能力を開花させるため魂の共鳴、能力について話だした。





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