第41話


ルシファーの心境状況にサタンは反応しサタンの本性が現れた。



『この時を待っていたぜ、俺は魔王としてこの地に戻る時をずっと待っていた。

ルシファーには悪いがお前の体は俺がもらう。

まだ体には馴染めないがちょっとお試しで使わせてもらうぜ。』



サタンはそういうと俺の精神世界を支配しようとしていた。



(なんだ・・・この感じ・・・目の前が真っ暗だ・・・なんか眠いや・・・このまま寝よう・・・

そうだ・・・サタンに任せてこのまま寝てしまおう・・・そうすればこの場から逃げれる気がする・・・)



そんな時俺の頭の中にベリアルの声が聞こえてきた。


(ルシファーダメだ、気をしっかり持つんだ。今のままではお前は完全に戻って来れなくなるぞ。

私がお前に力を譲渡した意味も完全になくなってしまう。耐えるんだ)



ルシファーはベリアルの言葉に目を覚ましベリアルに問いかける。



「ベリアル様ご無事だったのですか?俺はてっきり・・・もう・・・俺はどうしたらいいんですか?」



ルシファーの質問にベリアルは戸惑いながら返答した。




(悪いなルシファーよ私はもう実体がないのだ、今も私の声はお前の頭の中にしか聞こえてはいない。

私の思念も時期に消えるだろう。

私から言えるのは気をしっかり持ち私の力を受け入れるのだ。そうすれば道は切り開ける。)




ベリアルの声が聞こえたのはそれが最後だった。




「受け入れると言ってもどうしたらいいかが全くな・・・」


その時だった。


(うっ・・・体に激痛が・・・この感じ・・前にも・・・うぅっ・・・)


精神世界をサタンに支配されかけていたルシファーの体は

サタンに乗っ取られないようにして激痛に耐えていた。



この痛みは以前とは全く比べものにならなかった。



(うっ・・・頭が割れそうだ・・・サタンが原因なのか・・・?)



その時サタンが話かけてきた。



『しぶといねー、さっきは俺に身を委ねたんだ。早く体を渡せば楽になれるのによ』



サタンはそういうと俺の感情の動揺に漬け込み精神世界を支配し体の乗っ取りに圧をかけてくる。



精神世界を支配されかけているルシファーの体には変化が現れていた。



『あははは、お前の体はほぼ俺のものだ、感情の動揺には勝てないみたいだな。

体はもう魔族そのものだ。死神たちがやっている受け継がれし転生者はここで終わりだな。

あははは、笑えるぜ。』



俺の体は背中に羽や竜の刻印に加え頭からツノが生えてきていたのだ。



「なんだよこれ・・・こんなのただの化け物じゃんか・・・うわぁ・・・」

(ダメだ・・・このままじゃサタンに飲み込まれる・・・意識が薄れていく・・・)



その時・・・俺の中で眠っていたある魂が目を覚ました。



『はぁ・・・この時がようやく来たか・・・だがこの力は・・・

そうかあやつの物がきっかけとなったのか。

・・・我の前にお前が目覚めているとはな、サタンよ』



ベリアルの能力が俺へ譲渡され膨大な力が体に流れ込んできたことにより

能力とルシファーの感情に魂が反応し初代大王【ハデス】の魂が目覚めたのだ。



『なんだよ、大王目覚めちまったのか・・・こいつの体はもうすぐで俺のものだったのによ大王さん

こいつはダメだぜ、俺に近くなりすぎて姿は魔族そのものだ。大王の器には程遠いな』



サタンの言葉にハデスは『んっ?』と首を傾げ精神世界からルシファーの姿をみた。



『これは・・・何ていう姿をしているのだ。まるで魔族じゃないか

だが、こやつは我の器だ。そろそろ返してもらおう。』




ハデスはそういうとサタンを見つめ能力を使った。



『冥府、この世界は私そのものだ。

それに器を弄ぶことは許し難いな、我が食し罪を消してやろう。【ソウル・トロゴ】』



するとサタンの体の周りにはハデスの黒炎で包まれた。


『この炎・・・魂が抜け出していく・・・くそっ・・・』



黒炎で包み込まれたサタンの体は魂のみとなりハデスはサタンの魂を飲み込んだ。


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