第43話


「ルシファーよ、よく聞くのだ。我の魂はお前の中にある。我の能力を完全に使いこなすには

魂の共鳴が必要だ。お前の中にはサタンの魂が我より先に目覚めていた。


その時おそらく魂の共鳴は経験しているはずだ、まぁサタンの魂は我が食したがな。

我と魂の共鳴ができれば、お前は我の能力・サタンの能力・ベリアルの能力、3つの能力を扱える死神になるのだ。

我の能力は冥府そのものだ。サタンの能力は言霊、わかっているだろうがベリアルの能力は時空間だ。

これらの能力が扱えればお前は我をも超える冥府の大王になるのだ。

今の統率が崩れつつある冥府を我の意思を継ぎまとめるのだ。」


(俺が冥府の統率をとりまとめる?)



俺はハデスの言葉に安心感を持っていたが【大王】という言葉に気を取られ現実的なことは考えていなかった。

だが冥府をまとめるとなると、正直戸惑った。


(こんな俺が冥府なんて・・・)俺は急激な不安に襲われ顔を固めながら何も返答することは出来なかった。

そんな時黒猫に転生したベリアルが俺に話しかけてきた。



「ルシファーよ、今はまだ深くは考えなくていい。私がお前の能力についてゆっくり特訓してやる。

そもそもお前はまだまだ青臭すぎる。まともに能力のコントロールも出来ない奴が

大王など務まらないからな。

だから安心するのだ、お前には私たちがついている。」




俺はベリアルの言葉にホッとした。そしてベリアルは話を続けた。


「それでだルシファー、お前は今からやらなければならないことがある。

お前は受け継がれし転生者としてサタンにやったように大王様と魂の共鳴を行わなければならないのだ。

精神を集中させハデスの魂を受け入れなければならない。

そうすれば自然と大王の能力、サタンの能力が使えるようになる。


そしてその能力たちをお前の能力に変えなければならないのだ。

ルシファーだからこそ使える能力にする必要がある。

それにだ、ルシファーには私の能力もある。譲渡した能力だ。


うまく活用し冥府最強の大王になるのだ。」



ベリアル、そしてハデスに言われ俺は覚悟を決めた。



「大王様、ベリアル様、俺は覚悟が出来ました。俺に力を貸して下さい。

それに俺だってたくさん特訓してきました。魂の共鳴・能力の感覚は少しならわかります。

この空間から出てイブリース様を倒します。」



俺がそういうとハデスが話し出した。


「さすが俺の器だ。我の力を使いこなすのだ。」


ハデスはそういうと俺の体の中に消えていった。

そして俺は精神を集中させ魂の共鳴を始めた。



「では、始めます。」



俺は鬼王丸との特訓を思い出し精神を集中させた。

すると何故かサタンの時とは違う感覚に襲われた。




(なんだ・・・?この感じ・・・サタンの時とは違う・・・力が湧いてくる感覚だ・・・)



変化をそれだけではなかった。

俺の体は半魔族化していたが頭のツノ・羽などは消え、体の周りから黒い影が現れ影が俺を覆った。

そして俺の姿は今までとは変わり黒のローブ、頭の横には羊のような骸骨


今まで手にしたことがなかったデスサイズが現れた。


俺のデスサイズは大鎌だ。そしてハデスが俺の頭の中に話かけてきた。


(我との共鳴はまだ完璧ではないがとりあえずはうまくいったようだな

我の力を使えるのはまぁ2割程度といったところだな。

我の力が2割も使えればイブリースごときなんなく倒せるであろう。)



俺は驚いた

(こんだけの力があるのにまだ2割・・・?大王様の力とは一体どれだけの力があるんだろう・・・

でも、今の俺の力ならイブリース様は倒せる。)



そして俺の変化をみたベリアルが話しかけてきた。



「その様子だと完全ではないが共鳴はうまくいったようだな。

今なら私の能力もうまく使えるだろう。まずは、この空間を解くのだ。」




ベリアルの言葉に俺の鼓動は早くなり緊張に襲われたが

手を前にかざすと自然と力が手に集まり能力が発動した。


能力が発動するとベリアルの能力空間【コーロクロノス】は解除され

俺とベリアルはイブリースがいる空間へと移動した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る