第39話


「私は、大人しく負けるつもりはありませんよ。デスサイズ 強化能力・エア・冷血樹海」



イブリースは赤い月で能力を強化させ、自身で扱える最大の能力を発動させた。


イブリースの能力により部屋全体を血液の樹海が覆った。そして部屋全体へイブリースの声が響き渡った。



「んふふ、この樹海たちは私そのものです。さぁ逃れることはできませんよ。」

その話を聞きベリアルは深く呼吸を整え発動させていた能力を使った。



「イブリースよ、お前は私の能力の上に樹海を出している。もう終わりにしよう。」



ベリアルはそういうと両手を地にある文字盤の上においた。

そうすると文字盤の針はぐるぐると動き出し文字盤の入った球体たちはイブリースを囲んだ。



「これは・・・」



イブリースは驚きの表情を見せる。


イブリースの樹海たちは血液となり形を崩した。そしてベリアルは身動きが取れないイブリースに話しかけた。



「お前とはゆっくりと話をしたいところだが別次元で話をしよう」



ベリアルが手を振り上げた時だった。腕から体全体へ激痛がはしりその場へ倒れ込んだ。



「この痛みは一体・・・体の感覚が・・・」



(まずい・・・このままでは・・・能力が解けてしまう)



その時だった。



「ベリアル様、大丈夫ですか?」



別空間へ移動させたルシファーが戻ってきたのだ。ベリアルは険しい表情になり話し出した。



「ルシファーよ、なぜ戻ってきた?この場は危険だ。」



ベリアルがそういうと俺は少し戸惑いを見せたが話し出す。



「大丈夫ですよ、ベリアル様の足手まといにはなるつもりはありません。少しながら戦えます。」




俺がそういうと、ベリアルは少し考えながらも頷き話し出した。




「これは賭けになるがルシファーの力を私に分けてくれ、失敗すれば私は消滅するだろう

だが今はこの方法しかない、どっちにしろこの状態では

私には今発動している能力を扱えるだけの力を練ることができない

だからルシファーの力を私に流し込み時間の能力で無理やり魂に共鳴させる。

その勢いでイブリースを異次元へ移動させる。」




ベリアルの話している姿は本気だった。



(ベリアル様は本気だ、失敗したら消滅するのにこのお方は怖くないのか?でも

やらなければ俺たちはここでイブリース様に消滅させられる、もうやるしかない)



「わかりました、やりましょう。」




俺は覚悟を決めベリアルの指示に従った。




「よく覚悟を決めた。ルシファーよ手を私の上にのせ精神を集中させろ、そして力を私の手に

乗せることをイメージするのだ。」




俺はベリアルに言われた通りやっていると力の感覚が伝わってきた。


(なんだこれ・・・力がベリアル様の手に集まってくるのがわかる・・・)



その時だった。聞いたことのない声が部屋全体へと響き渡った。



「いっひっひ・・・随分と楽しいことやってるね。俺は好きだぜ

なんだよイブリースさんよ、だらしない姿になって、それと死神の旦那お久しぶりっす」



ベリアルは動揺しながらも話し出した。



「全く・・・前回同様にタイミングが悪いなお前は・・・」


(やはりアバドンとイブリースが繋がっていることは間違いないだろう。

しかし・・・この状況はまずいな・・・私にはもう力がない・・・

このままでは私とルシファー2人とも消滅させられる。一旦引くしかないか・・・)




アバドンが能力を発動させた。


「いっひっひ、まずはそこの僕ちゃんの魂から頂こうかね、【特殊能力・アポクテイノー・闇スコターディ】


アバドンは能力を使い自身の身体能力を上げルシファーに襲い掛かろうとした。



しかし、その時だった・・・

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