第34話

時空が歪み何者かがこの地に入ってきた。



「誰だ?この地にはワシが許可した者しか入れぬはずなんだが?お前は何者だ?」



鬼王丸は殺意を剥き出しにした状態で質問すると

黒く歪んでいた姿が少しずつ形になっていきそこに立っていたのは・・・ベリアル?



「えっ?ベリアル様、なぜここに?」



俺はベリアルが現れたことに驚き大声を出してしまった。だが鬼王丸はすぐに違和感を感じ話し出した。



「この感じそれに気はベリアルでも魂が入っていない、お前ベリアルではないな?一体誰なんだ?」



「驚かれるのも無理ありませんね・・・確かに私はベリアル様ではありません。

ですが私はベリアル様そのものでもあります。

私はベリアル様の陰でありベリアル様の実態から出てきております。

簡単にご説明すればベリアル様の能力からできた分身です。名はファントムシャドーと言います。

今回はベリアル様のご命令でルシファー様をお迎えにあがりました。

ルシファー様には一緒に来ていただきます。」



その話を聞くと鬼王丸は笑いながら話し出した。




「あっはっは、あいつは相変わらずだな、堅苦しいことをする、だが何か考えてのことなんだろう?」



鬼王丸は笑っていたかと思うと急に真顔になりファントムシャドーに質問していた。




「えぇ、ベリアル様はちゃんと考えての行動です。信じていただきたい。」



ファントムシャドーは鬼王丸の質問に丁寧に返すと深々とお辞儀をした。

その姿を見ていた鬼王丸は黙って頷くだけだった。




そのやりとりを見ていた俺は何も聞くことなどできず

ただ、今はベリアルを信じファントムシャドーについていくことしか出来なかった。


「鬼王丸さん、ありがとうございました・・・」


ファントムシャドーはベリアルの能力を使い時空間移動をし俺をベリアルの元へ移動させた。


その時鬼王丸は俺に「強くなれ」という言葉を残した。



時空を抜けるとその先はベリアルの宮殿だった。俺はここへ来るのは2度目だがやはりここは力の圧がすごい。

ここでずっと黙っていたサタンの声が聞こえていた。



『おいっここはなんだ?ここは俺には合わないみたいだ・・・体がムズムズする・・早く抜けよう。』




サタンはこの場所は身体に合わない言いだし異様にこの場所を嫌がっていた。



(簡単には抜けられるわけないだろ。ここはベリアル様の宮殿なんだ。

それに俺はここに呼ばれたんだ。勝手に抜けたりしたら怒られるだろ?)




俺がそう言うとサタンは『ちっ』と舌打ちをし不貞腐れまた黙り込んだ。



俺とサタンがこんなやりとりをしているとベリアルがやってきた。



「きたか、強引な呼び出しは許してくれ。早急に呼ばなければいけない理由があったんだ。」


ベリアルはそう言いながら俺の顔を見ると何かに気づき動揺を見せながら話しだした。




「ルシファーお前・・・内なる者と会話ができるようになったのか?」




俺はサタンのことや鬼王丸との特訓のことをベリアルに話した。


話を聞いたベリアルは深いため息をつき「大事な話がある」とだけ言い

俺は宮殿の地下にある部屋へと連れて行かれた。



地下の部屋は、地面に馬鹿でかい漫画で見たことのあるような印が書かれてあり

周りには黒炎が灯されているだけの部屋だった。



そこで俺はベリアルから驚愕の話を聞かされた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る