第4章・決戦


ベルゼブブを支配したイブリースは魔族界に足を運んでいた。


(おやおや、魔族界にくるのは久しぶりですが随分変わりましたね。

それに魔王の魔力も変わった感じも・・・)



イブリースがそう感じていると目の前にサマエルが現れる。


「おや?あなたはどなたですか?この感じ只者ではありませんね?」


イブリースがそういうとサマエルは返答に困り『やれやれ』といった表情で話し出した。



「あなたには隠しきれませんね。単刀直入に聞きますがアバドンの封印を解いたのはあなたですか?」




サマエルは隠していた魔力を解放しありのままの姿で質問する。



「その凄まじい魔力で魔界を覆っているというわけですか・・・

それに魔王は死んだといった感じですかね。あなたが裏魔王ですね?

いや本来、魔王であるお方といった方が正しいですかね?しかも邪悪なね。んふふ

まぁいいでしょう。私がアバドンの封印を解きましが・・・

どうです?楽しんでいただけたでしょ?それにあなたには好都合だったと思いますが?んふふ」




イブリースは不気味な笑みを浮かべながらサマエルに話す。


その様子を無表情で聞いていたサマエルが口を開いた。



「そこまで知っているのですね・・・変わった死神だ。

まぁ隠す必要はもうありません。そうです、私こそ魔族界の真の魔王サマエルです。

あのベリアルにも私の能力を仕掛けましたし時期にことは動き出すことでしょう・・・」




その話をするサマエルの顔は悪魔そのものであり魔王であることを物語っていた。

そしてサマエルの話を聞いていたイブリースは険しい表情になり口を開いた。


「ベリアルに仕掛けたとはどういうことですか?ベリアルには手出ししないでいただきたい。

私がこの手で引き裂くのです。んふふ。苦痛に耐える姿は美しいものですよ。」




サマエルと会話をしていると

そこにベリアルを探すよう命じられていたベルゼブブがイブリースの元へ来た。




「イブリース様、ベリアルが死神界へ戻ってきています。どういたしますか?」



イブリースはその言葉を聞き不気味な笑みを浮かべながらベルゼブブを蹴り飛ばした。



「時代は常に変化していくものです。ベリアルの時代は終わりますよ

今晩は赤い月ですからね・・・んふふ」




イブリースの体の周りを大量の血液が渦を巻きイブリースは興奮状態になっていた。



そしてその様子を見ていたサマエルが話し出した。



「あなたの様子を見た感じとさっきの会話で能力は把握できました。

今晩ということは能力特有のあれをやるつもりですね。

面白い、私たち魔族はあなたに協力いたしましょう。目的は大体同じです。

ですが・・・ことが済むまでです。それまでは私の兵を好きにお使いください。」



サマエルにそう言われイブリースは横たわるベルゼブブの頭を踏みつけ話出した。



「んふふ、それは助かりますね。この使えない死神では私の目的は何も果たせませんからね

ありがたく使わせていただきます、ではこの人形はもう必要ありませんね。んふふ」





そういうとイブリースは能力で血液を針状に尖らせ無数の針でベルゼブブを串刺しにした。



「あぁー・・・おやめ下さい・・いっ・・痛い・・体が焼けてく・・・」


ベルゼブブは激痛により最期まで悶え苦しんだが魂は消滅し塵となり消えた。




「四天王ともあろう死神がみっともないを姿を、脆い身体ですね、

まぁ四天王には相応しくありませんね。」



イブリースは四天王ベルゼブブを簡単に消滅させてしまった。

その様子を見ていたサマエルが声をかける。


「よろしいのですか?一応お伺いしますが、あなたのお仲間なのでは?」



サマエルの質問にイブリースは不気味な笑みを浮かべ答える。




「こんな下級の死神が私の仲間だと?ご冗談はよして下さい。んふふ・・・

私は特別なのですよ。私が仲間だと認めるのはベリアルだけですよ

愛があるからこそ、殺し合いがしたいのですよ。んふふ」



(さぁいよいよですよ。ベリアル。あなたの苦しむ顔がみれるのは・・・

早く楽しみたいものですね。んふふ)



「では、サマエルさん。またお会いしましょう。赤い月の時にね。」



イブリースはそう言い残すと身体中を血液が包み込み魔族界から姿を消した。

そしてその姿をサマエルは不気味な笑みを浮かべながら見ていた。


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