第26話


「誰か来たのか?勝手に入る者は殺すぞ。」


俺は一瞬でこの声の主が能力者だとわかった。

殺気が凄い・・・空気が重い。



アザゼルは声を震わせながら話だした。



「勝手に入ってすみません・・・俺です、鬼王丸さん。

今日は鬼王丸さんに紹介したい者がいて来ました。

是非会っていただきたいのですが。鬼王丸さんと同じ

【覚醒】の能力者なんです。」



その話をすると殺気はなくなり近づいてくる足音がした。



「相変わらずだなアザ坊よ、覚醒の能力者か・・・興味深い。」



そして鬼王丸の姿が見えその姿は破けた着物に

真っ黒い短髪、鋭い目つきと鋭い牙

人相は悪く、軽く100人は殺しているだろうという感じの風格だった。


驚くことにツノが生えていたが

近づいてくるにつれて徐々に消えていった。



(この人は・・・普通じゃない・・・威圧感が凄い・・・

立っているのがやっとなくらいだ・・・)




アントニーの方を見ると腰を抜かし震えていた。



そしてアザゼルが話し出した。




「2人とも紹介するよ。鬼王丸さんだ。

この方は俺の師匠であり覚醒の能力者だ。そして鬼神の王だ。」



鬼王丸と紹介された人は俺の顔を見るなり

なにかを感じ取り話し出した。




「おい、お前が覚醒の能力者だろ?お前には厄介なものが

体にはいっているな・・・

アザ坊よ、こいつはワシが鍛える。しばらく預けろ」



「まぁそれが目的だったので、よろしくお願いします。

鬼王丸さん」




(この鬼王丸さんが俺を鍛える?俺は覚醒できるのか?

それに俺の体にはやっぱり他の魂がいるのか・・・

でも俺は俺だ・・・それは間違いない。)




俺はこの時気づいてはいたが体の中にいる厄介なものという言葉に引っかかっていた。


そんな時アントニーが心配そうに声をかけてきた。




「ルシファーちゃん大丈夫?すごい顔色悪いよ・・・?

なんか色々言ってるけどさ、きっと大丈夫だよ。

どんなことがあってもルシファーちゃんはルシファーちゃんでしょ。」




俺はアントニーにそう言われると気持ちが少し楽になった。

(そうだよな・・・どんなことがあっても俺は俺だ。

強くなるんだ。)




「アントニーありがとな。なんか気持ちが楽になったよ。

俺は

何を考えてたんだか。強くならなきゃな。」



アントニーは嬉しそうに俺の顔を見ながらうなずき、


「僕もルシファーちゃんに負けないくらい強くなるからね」

と言い残し


俺と鬼王丸、アントニーとアザゼル


それぞれに分かれて特訓が始まった。









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