第27話


俺は鬼王丸に連れられ薄暗く気味の悪い谷?に連れてこられた。



(谷?気味が悪い・・・異臭もする・・・こんなところで特訓するのだろうか・・・)


そして驚くことに俺は鬼王丸さんと2人だけになると

さっきまでの恐怖心や鬼王丸からの

威圧感などは無くなっていた。




そして鬼王丸は、さっきまでの雰囲気とは全く違い

笑顔で俺に話し出した。




「小僧、お前は覚醒の持ち主か?すごいな。

改めて自己紹介しよう。ワシは鬼王丸、鬼神の王だ。

これからは小僧をビシバシ鍛えるからよろしくな。」



俺は驚いた、さっきとはまるで別人だ。

この人が鬼神の王?全くそんな感じはしない。




「あの、俺はルシファーです。これからよろしくお願いします。」




挨拶をし俺は鬼神の王ということもあり丁寧にお願いをした。



「なんだ小僧、ワシはそんな堅苦しいのは好きじゃない

もっとラフに行こうぜ。これからは長いからな。」



そして鬼王丸は話を続けた。


「小僧、ここがどんな所かわかるか?そして感じることができるか?」




鬼王丸は俺に質問を投げかけた。



正直俺は鬼王丸の質問が疑問だった。

(ここが何処だかわかるか?だと分かるわけない

初めて来たのに・・・

それに感じることができるか?なにを感じるんだ?

意味がわからない。)




「すみません・・・俺はここに来るのは初めてです。

それに何も感じることは出来ません。」




俺がそういうと鬼王丸は鼻で笑い、話だした。


「小僧、まだまだアマちゃんだな。まずは感じることだからな。

まぁその魂の持ち主なら出来るはずだ、

目を閉じて精神を集中させろ、そして気を感じるんだ。」




(なんだそれ・・・全くわかんねぇ・・・でも一応やってみるか・・・)




俺は鬼王丸に言われた通りやってみることにした。



(目を閉じて・・・精神集中・・・気を感じる・・・)




そうすると俺は今までにない感覚に襲われた。



(なんだこれ・・・空気が変わった?声?鬼神たちの声なのか?それより立ってられねぇ・・・)




「ふんっ、気、思念を感じられたようだな。なんとなくこの地が分かったか?」




「うーん、なんとも言えないですけど・・・鬼の声は聞こえた気が・・・

それに空気が重すぎて、立っていられなくなりました。

多分・・・ここは鬼の地、なんらかの事情で亡くなった鬼たちの思念が残っているかと・・・」





鬼王丸は驚いた顔をしていた



「ほう、初めてでそこまで出来るとはな

流石だぞ、小僧。ワシは感動した。」




その時だった。


俺の体の中に映像が流れ込んできた。頭の中で映像が鮮明に映し出された。




(なんだこれ・・・んっ?この場所か?それに鬼神たちか?

鬼王丸もいる。そうかこれは、鬼神たちの思念。

過去の記憶か・・・)



俺の頭の中にはさっき感じた思念の映像が流れていた。



その映像にはなぜ鬼神たちがいなくなったのか

など鮮明に記録されていた。



「おいっ、小僧大丈夫か?もしかしてお前思念に

記録されている映像まで見えたのか?」



「はい・・この地のこと・・なん・・でき・・じ・・んが・・・」



俺は立っていることが出来ずその場に倒れ込み気を失ってしまった。


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