第12話カナブン兄貴(内輪言語)
方言でもない。専門用語でもない。内輪言語というものが存在する。「あっちゃん、そこのポチ、ちょうだい。」こう言われても端から聞いてると分からないと思われる。これは家族内での言語で、ポチは犬ではなくリモコンの事である。こう言えば、内輪言語というものがお分かり頂けただろうか?言葉の起源なんてさっぱり分からない。いつの間にかリモコンはポチと呼ばれるようになっていた。
恐らく友達や家族、職場の中には内輪ノリがあって、そこには内輪言語が存在している事があると思います。敢えてその言語を別の言い方をするのです。今日はその中でも、ある現象についての内輪言語を教えたいと思います。タイトルにも書いてある通り、「カナブン兄貴」です。
私の住んでいる地区自体は山に囲まれている地域です。二輪バイクを利用する者としては3月~10月くらいまでは、気持ちよく乗れる季節であります。だからと言って派手に飛ばすことは出来ません。それは交通法とかの他にも脅威があるからです。一見、田舎道は自分だけの道路だ状態になることが多く、飛ばしたくなる気持ち、風になりたい気持ちにさせる事があります。だけど、そんな気持ちでアクセルを回してしまうとお星様になる事があります。自然の驚異というものが存在しているのです。
カナブン兄貴はその中の代表です。極道、大自然組の鉄砲玉を担当しています。兄貴なので多くて速い乗り物だろうが怖気づきますせん。真っすぐ運転している私達の顔に向かって飛ん来ます。その威力は自然をたくましく羽ばたく流れ弾。ヘルメットにぶっつかった時にバチンという音と共に上を向いてしまいます。まるで頭を撃ち抜かれたような感じです。ぶつかった際の混乱でハンドル操作を間違え危ない思いをすることがあります。死人に口なしですが、多分カナブン兄貴は何人か実際に殺していると思われます。
田舎の暗黙の了解で、原付以外はフルフェイス着用です。速度の出る大型になる程、奴らは銃弾としての威力を増してくるのです。そして顔が剥き出しのヘルメットだとどんな事が起こるか…見当が付きますね?尋常じゃない痛みが顔面を襲うことになり、命まで持っていく事になります。気持ち良さから「うえーい」なんて言って御覧なさい。カナブン兄貴は恐れずにその口の中に飛び込む事でしょう。私の友達は飛び込んで来たカナブン兄貴を飲み込んでゲロ吐いていました。
他にも動く泥の塊(ウシガエル)飛行型ペイントボール(蛾)天然ミサイル(カブトムシ)など沢山の驚異が大自然であなたを待ち受けている。天気や交通法だけを気にせず、かも知れない運転をして欲しいと切に願う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます