第11話ブラックコーヒーが飲めないからのぉ~?
飲食の特訓を皆はしたことがあるだろうか?嫌いなものが食べれるようにする行為である。やった事がない人に説明すると、これはかなりの苦痛を伴うのだ。五感全てに苦痛を与えて、心身にとてつもないストレスを与える行為だ。好き嫌いが無い人が羨ましい。私も出されたものを何でも食べられる人でありたかった。なんか知らないうちに食べれるようになっていたが理想だ。
細かい好き嫌いの話はまた別の機会にしといて、私は口にするけど苦手なものがあった。ブラックコーヒーである。具体的に言うならばカフェインに弱いのである。
コーヒーの味自体は口にしたい気持ちがあって飲むことがあったが、飲むと心臓がバクバクとなり、嗚咽や頭痛、情緒不安が出て来る事もある。根本的に向いてないようだ。アルコールはまだ飲めるんですけどね。でも、コーヒーが飲みたいので牛乳を混ぜて飲むことをしていたんです。
コーヒー愛飲家ってのは少し口が煩い人がいる。コーヒー=ブラックが至上な考えの方がちらほらといる。カフェオレを飲んでいる人達をお子ちゃま、舌がガキと言い出す人もいる。コーヒーの本場と言われるブラジルなんて砂糖ガバガバ入れてるのにね。寧ろブラックだけなんてのが、おかしいのにね。ここが変だよ、日本人。
ある日、家でコーヒー牛乳を飲もうと思ったんです。そしたら弟がやって来て、ちょっかいを出して来たんですよ。「ブラック飲めないからなぁ、姉ちゃんは舌がガキだもんね。」優越感に浸った顔で言うんですよ。だから私はブラックなんて世界規模で行ったら少ないと話したら、「からのぉ~?」って言われたんですよ。
某芸人の流行らせた絡みですけど私…本当にこれが大嫌いなんですよ。自称ドS、自称仕切り上手、自称面白い事言えます系が頻繁に使うんですよ!こいつら、人が話した後に「からのぉ~?」って言いたがるんですけど、結局!変な空気にさせて終わらせるんです。「からのぉ~?」がなければ笑い話は花咲いて次に行ったのに、面白くなかったのか、何も考えていないのか…「からのぉ~?」を入れる。これを出されると返しや反応をしなければならないけど対策なんてない。話し終えて完結しているのに、強引に続きを作る行為である。「からのぉ~?」は何の平和もない。賽の河原の鬼みたいな行為。答えられずに白ける。言った本人も含めて全て。
私は理不尽なちょっかいを出して来た弟の顔面を殴った。「殴る事はねぇだろが!」と髪を引っ張られた。こうして取っ組み合いの喧嘩が始まり、マウントを取られて殴られている所にお母さんが帰って来て怒られた。お互いにこいつが悪いと主張した結果、「それ如きで手を出すな」と言われて私が負けた。
正直、かなり納得出来ず怒り狂った。私は大量のインスタントコーヒーを買いにスーパーへ行き夜を待った。弟がお風呂に入るタイミングを見計らい、湯舟をコーヒーにした。そして、弟が風呂の蓋を開けて「なんじゃこりゃ!」となってる所に、
私が弟にタックルして湯舟に突っ込ませた。風呂から顔を出した弟に「からのぉ~?ブラックコーヒーからのぉ~?」と、ガバガバとコーヒーを流し込み溺れさせようとした。騒ぎを聞いてお母さんが駆けつけて私はビンタをされた。それでも私は怯まず弟に問いを聞いた「ブラックコーヒーからのぉ~?」弟は「ごめんなさい。もう食の事で馬鹿にしません…」と言った。完璧な返しだと私は感動しながらお母さんから更にビンタをもらった。
あれから弟は、本当に食の好き嫌いに関して一切の口を出さなくなった。私はそれからも、動悸を感じたりしながらもコーヒーを飲み続け、一年ぐらい前からやっとブラックを何杯も飲めるようになって来た。今日もブラックコーヒーを飲みながら作業している。
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