雲は空に、雨は土に
約4ヶ月前(!)、10月に千津ちゃんの話を書き終えた時から、次は泉の祖父の死をテーマにしようと決めていました。どんなお話にしようか考える中で、質量保存の法則が人間にも当てはまることを知り、空を飛ぶ微生物に驚愕し。微生物について知るほど、循環とか共生とかいうテーマが浮かび上がってきます。この感動をなんとか形にできないものかと考えていたのですが。
思えば泉の祖父母の話を書いたのは、約3年前のこと。夏におじいちゃんに癌が見つかった、というのが今回の話の布石になっていたわけですが(覚えてる人いないわな、こんなに時間が経つはずじゃなかったのに……)。
あの話を書き終えた後、私の祖母に癌が見つかりました。それでも元気だったのですが、今年11月頃から急に弱ってしまい、12月の終わりに旅立ってしまいました。
祖父の時は、今回の話に書いたみたいに、皆で見送りました。祖父が緩和ケア病棟に入院したと聞き、県外に出た私も弟も、連休を利用してちょうど帰省していて。よく晴れた、うららかな日でした。祖父を囲んで、皆で笑いながら思い出話をした。宝物のような時間でした。
祖母の時は、コロナ禍でそんな訳にもいかず。でも、旅立ちに至るまでの祖母とのやりとり、伝え聞いた祖母の言葉は、やっぱり宝物のように思えます。
いつか私が旅立つ時は。
祖父のように、祖母のように。
二度と会えない、のではなくて。違う形で一緒にいるのだと思います。
原子レベルで見れば、存在が消えることは無い。そう知った時、世界がもっと優しい場所であるような気がしました。
祖父の葬儀の後。集まった弔問客に皆で頭を下げた。その瞬間に、優しい風が私達の間を吹き抜けていったのを覚えています。
あれはもしかしたら、祖父だったのかもしれません。
最近、夢の波間に祖母の姿を見ました。
移り変わる夢に紛れ、目覚めた時覚えていたのはその断片だけ。
祖母の傍らには、祖父がいました。久しぶりに見た、寄り添う二人の姿。
やっと巡り会えたのだと思うと、なんだかしみじみしました。これからは二人で、見守っていて下さいね。
今回もなっがーーーいインターバルでしたが、それにも関わらずお付き合い頂きまして、どうもありがとうございましたm(__)m
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