命の流れ

 レインボーベビー。

 赤ちゃんが亡くなった後、授かった赤ちゃんのことをそんな風に呼ぶのだそうです。

 亡くなったこどものことを、どのように受けとめるのか。それが次の妊娠、育児にも影響していく。


 「若いんだからまた授かる」

 「忘れ物を取りに帰っただけ」

 善意であっても、周囲の言葉に傷ついている方々がいる。


 死産だった赤ちゃんのために、小さな小さな産着を手作りしたり、手形をとったり。

 赤ちゃんを空へ送り出すまでの間、パパやママに寄り添うブリーフ・ケアを続ける助産師さんがいる。

 気の利いた言葉なんか要らない。そっと、気持ちに寄り添ってもらえたら……。


 そういうことを、初めて知りました。

 こんな大事なテーマを私が書いていいものか、果たして書けるだろうかとも思ったのですけれど(今も思ってますけど)……。


 詩集「露のうた」にも書いたのですが、身近で流産の話を聞きました。

 奈留ちゃんは全く架空の人物ですが、その方も妊娠初期の流産でした。

 私は涙をこぼす彼女に、何もできなくて……。

 どんな風に声をかけたらよかったんだろう。

 不用意な言葉で、傷付けてしまったんじゃないか。

 そんなことを、ぐるぐると考えてしまいました。

 此処にある命が、消えていってしまう。

 そのことが堪らなくて。


 そんな夜の果てに、輝く命の流れを見ました。

 小さな灯火が寄り添うようにして、命は滔々とした大河になっていく。

 煌めきが星のように流れ、こちらの世界に届いたり、大河へと還ったり。

 それはこの世界とは別次元にあるようだけれど、私たちと一緒に未来へ流れていく。

 みんないる。みんな繋がっている。

 きらきらと、輝いている。


 たとえ一瞬の流れ星のようだとしても。

 命の輝きは、永遠に。


 小さな流れ星との出会いから、生まれたお話。

 予定外の挿入でしたので、物語の繋がりを考えると別の場所が良いかもしれませんが。そのうち入れ換えるかもしれません。


 そして、このお話の一部に違和感を覚えた方もいらっしゃるかもしれません。前回の話の一部がそのまま入っているからです。

 前回の話、やっぱりバラバラで伝わらないなと反省し、修正中なのです(>_<) 混乱させてしまい、すみません……。


 拙い物語ですけど、今回もお付き合い頂き、ありがとうございました。



 どうか、空の上で優しい夢の続きを。

 いつか、また。きっと。








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