忘れられた成人式
ドゥギー
成人式に無関心
新成人の皆様、成人式おめでとうございます。いい思い出になるといいですね。ちなみに僕の成人式はいい思いをしておりません。
成人の日の朝、地元の成人式に向かうため、着慣れていない背広を着ました。背広を着たまま、朝食を食べようと食卓の席に座ると、隣に座った祖母が、
「おはよう。なんで背広着てるの?」
さらに正面に座った父が、
「おお、背広なんて珍しいな。なんかあるのか?」
と言ってきました。目を丸くした僕は
「え? 今日成人式だけど」
と応えました。口をポカーンを開ける父と祖母。
「そうだったの。おめでとう」
「はっはは、そうか。お姉ちゃんの時は早朝からドタバタしてたから、気づかなかったよ。とにかくおめでとう」
力ない祝辞を受ける僕。姉の時は晴着を着るため、朝4時に起きて、美容院で着付けをし、その後家で晴着姿の写真を撮ってから成人式に向かうというハードスケジュールでした。それに比べて、僕は朝7時半に起きて、自分で背広を着て、普通に朝食を取るという普通のスケジュール。確かに緩いですが、家族の無関心さに悔しくなった僕は成人式に向かう直前、この出来事をラジオ番組に投稿しました。
その夜、高校の同窓会に出席した僕は友人から驚きの言葉を聞きました。
「お前の投稿、ラジオで読まれたぜ」
どうやら急いでいたため、ラジオネームではなく本名のまま投稿しまった結果でした。
忘れられた成人式 ドゥギー @doggie4020
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