第5話 爆心地の祈り:グランドゼロ!!

しかし、先生はそんな私の気遣いに気付かず 、


「安川君、ガマンできそう?もう出ちゃいそう?」


バス中に響き渡る大声で彼に問い掛けた。


安川君の恨みがましい視線が私に突き刺さる。


 

一瞬で車内には静寂が訪れ、

『うんこがもれそうな安川君』へと、

皆の冷たい視線と注意が集まった。



先生が彼の隣の席へと移動したので、

隣だった私は、先生の席へと移動が出来だ。


(爆心地は避けれた!やった!)


不謹慎だが私のその時の素直な心境はそうだ。



この時、私に出来ることは心の奥底で祈る!

とにかく祈る!!祈る!!!



世界中のあらゆる神様に、お祈りする事だけだったが、

「安川君がうんこをガマンできますように」 



・・・なんて祈ったら、神様に怒られそうだったのでやめた。

大人しく「事」の成り行きを見守ることにした。




つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る