第6話 コナンと右京と私

先生は「ガマンできそう?」とまだ問うていた。

安川君は半泣き状態で 答えようとしない。


私は考えていた。


もし「もうガマンできません」と彼が答えたら

先生はどうするのだろうかと??


幼い私の出したベストの答えは

『バスを停車して道の端にうんこする』というものだ。


それ以外に 考え付かなかった。


否!!


名探偵コナンでもドラマ相棒の右京さんでもそう答えるはずだ!


もし、「その時」が来れば先生も、

私やコナン・右京さんと同じ答えを選択するだろうと・・・


勝手にコナンや右京さんを味方にしていた。



しかしそう、ここはあの中央フリーウェイ・・・

大型トラックや宅配便、一般車が連続して、

時速80~100キロで高速走行を行うフリーウェイだったのだ。


大型バスが長時間留まる事、

そこから数人がバスから降りる事は、

危険極まりない。


もし事故になれば、大けが、いや命の保証もない。

クラス全員の命を賭けた判断だ。



だが小学生の脳裏にそんな状況は頭になく、

今ここにある危機を回避する事だけしか考えが及ばなかった。


先ほどまで見えていた他クラスのバスは、いつの間にか見えなくなっていた。



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