ここまでのまとめ&登場人物紹介&用語集

ここまでのまとめ:


 サリンを部屋に撒かれて、大春先生は死んだ。ところで先生の内臓を喰ったオオカミは人間に化けた魔族で、先生の友だちだった。その後、友だちと一緒に人間博物館へと出発、人間に殺されそうになりながら到着。人間に詳しい博士たちと知り合いになった。それから部屋に戻り、少し寝ていると魔王が入ってきて心臓を握り潰した。夕食では土下座をした。そしてルペーニヤという街の人類を殲滅すると言い出した魔王に、先生は情操教育のために古い映画を観せることにした。


●ブルカニア博士

⇒魔族。人間換算で50代後半。翁酉族。フクロウっぽい。

 学生の頃からニンゲンの研究一筋で通してきた。研究対象ゆえに周囲から理解を得る機会が少なく、本人も孤独を意に介さない性分なので、社会との接点が薄い。その結果、ファッションセンスが年々進化している。

 好きなものはサヮエンゥプ(魔界の瓜)の種の禄椒煎り。得意なことは速算。

 異世界のニンゲンと会話するのは初めてなのでめっちゃ興奮している。


●ズィビィーシヤ博士

⇒魔族。人間換算で50代半ば。謬狸族。アライグマっぽい。

 学生の頃からニンゲンの研究一筋で通してきた。若かりし時分はいざ知らず、歳を重ねると夫の社会性の欠如が心配になり、夫婦で並んだときに印象を緩和すべく、普段から小ざっぱりした格好を心がけている。

 好きなものはリシィァギャ(魔界の茸)の凄酸漬け。得意なことは毛玉取り。

 異世界のニンゲンと会話するのは初めてなのでちょっと緊張している。


●ブルカズィくん

⇒人間。10代。文明のレベルが異様に低い愚劣な生き物のサンプル。オピバニア王立ニンゲン博物館では、展示品である彼の内臓を自由に掻き出すことができる。



★転送術

⇒読んで字のごとく。

 要するにワームホールだが、いきなりワープできるわけでもなく、魔方陣の種類や巧拙によってはそれなりの行程を歩くことも。


★魔方陣

⇒空間をねじ曲げたり折り畳んだりすっ飛ばしたりする〈魔術〉の場合、魔方陣を使うことが多い(客観的な指示記号がないと、術者の想念が作用して変な場所に飛ばされることがあるため)。いちいち描く必要はなく、測量士など移動が多い職業の魔族は、手のひらに方陣の刺青を入れていたりする。

 正確な作図であればあるほど、目的地までの道のりは快適である。


★保護区

⇒魔獣の餌a.k.a.人間を保護すべく、魔王佐殿下が立案した行政区画。この区域に棲息している人間を魔獣と交配させたり、魔術や呪術の実験台にしたり、肉の盾や歩く地雷や空飛ぶ爆撃機にしたりすると、法律により処刑される。



★オピバニア王立ニンゲン博物館

⇒読んで字のごとく、魔界におけるニンゲンに関する資料を展示している。プレオープン中。

 上空から鳥瞰すると森林にすっぽり覆われた立地なので、転送術を使わないとまず辿り着けない。

 ちなみに地下に書庫がある。王立図書館にもない蔵書がわんさか存在するが、管理者夫婦の許可がなければ入れない。ここの本を無限に借りられるフミ先生はとてもラッキーである。



 読んでくださってありがとうございます。

 蛇行運転ですが、なんとか〆ました。計画立てて書いてないので、今後どうなるか不安です。

 次の章は途中からシリアスな感じになります。グロテスクな場面も多いですが、気合いを入れて書いたつもりなので、読んでいただけるととてもうれしいです。

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