第2話 ダブルデート

「ねぇ、トモ!!、今度、ダブルデートしない?!」

と急になっちゃんから話を切り出された。

「ダブルデート?どうゆうこと?!」

私と彼、なっちゃんと浜りん…。

4人でどこかに出かけるという事だった。

なっちゃんが

「私、浜りんと話ししてるの…。彼となべくんは上の学校だったでしょう?今、クラスは別々だけど顔見知りだし一緒に行けそうね。」

と彼女は行く気満々だった。

聞いてないよ…。そんなこと…。

と私の手を引っ張ってどんどんと進んでいく。

「ちょっと一緒に来て…。」

「えっー、うそ、時間ないよ…。」

といった先はガランとしたテニスコートだった。

誰、ひとりいないコートが何かを思わせた。

なっちゃんがソワソワしてた。

「今から彼が会いに来るの、ちょっと待ってよか…。」

「えっー、どういうこと?」

と2度目の感嘆の声をあげ目を丸くした。

「あのね。実は毎日少しだけ昼休みに会ってるの」

と小さく笑った。

笑った顔が、太陽の日の光で眩しかった。

無邪気な横顔だった。

きれいになったなぁ、なっちゃん。

「あっ、きた、彼が…。」

ふと、振り向くと白い歯を見せてニッコリと笑った浜りんが見えた。

なっちゃんが彼に近づく。

「ごめん。遅くなって!」

二人の並んだ姿を見るとドキッとした。

彼はポケットに手を入れて歩いて近づいてくる。

「はじめまして…浜岡です。」

「はじめまして…和久井です。」

と返した。

浜りんを近くで見た。

とても爽やかなイメージの彼だった。

「それじゃ、私はこれで…。二人の邪魔しちやいけないし…。」

というとなっちゃんが

「又、四人でどこかに遊びに行こうか…。」

とあわてて話かけてくる。

「できれば、映画でも見に行く?」

視線をかわすようになっちゃんは彼を見た。

彼は少し人目を避けるように木の影に向かっていく。

立ち止まると彼は口を開いた。

「渡辺が何ていうかわかんないなぁ…。僕の方から言ってみようか…。」

なべくんに聞くまではこの話が決まりそうにないと思った。

「わかった。1度彼に伝えるね。」

と早口で私はいった。

「それじゃぁ。」

と言うと

二人の邪魔にならないように、校舎の奥に入って行った。


結局、六月は期末テストがあったので八月の初め、夏休みにダブルデートすることになっていった。

「トモさんとデートだなんて…。」

彼はまんざらでもない顔で、少し嬉しそうだった。

「良かった〜。」

と言ってニッコリと微笑んだ。

その日から毎日を楽しく生きて、特に悩みもなく過ごしていった。

そういって当日を迎えるのだった。


«««««««


ダブルデートの当日の朝。

駅前に集合することになっていった。

私は初めてのデートということで、少しお気に入りのワンピースを着ていった。

可愛らしい小花のワンピースが何かを思わせた。

中央に大きな大きなリボン。

かわいこぶってる姿だった。

「お待たせー!!」

私が駅についたときはもうすでに三人が待っていた。

彼は肩にリュックをかけ、見た事のない帽子をかぶっていた。

彼に近づくと、

「少し待った?」

と顔を向ける。

「ぼくも今、来たところだから。」

と肩にかけてるリュックをかけなおした。

なっちゃんはおしゃれなTシャツにジーパン姿だった。

私のワンピースが風に吹かれていた。

幼く見える私だった。



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