続・交換日記
恋下うらら
第1話 ときめく日記
〜前編のお話〜
私、和久井智代。
今、中学1年生。
バスケット部の渡辺くん(通称なべくん)に恋をして告白したところ。
結局、OKをもらって付き合うことになっちゃった!
今の私達は携帯電話も持ってないし…。
交換日記でもすることになった。
~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※~※
なべくんとの交換日記。
どのようなノートにしようかしらー。
私の親友、ミヨちゃんが言うには、゛人から見てもわからんようにしたほうがいいよ。゛
と言われたが、家にあるノートは大学ノートか少し派手なピンクの可愛いノートしかなかった。
すぐに買いに行けばよかったが、どうしても今日、日記が書きたかったので、ピンクのノートにした。
鉛筆で1言1言綴っていく。
私のプロフィール、血液型に誕生日、星座など…。
好きな歌手に、好きな事など…。
そして同じ事を質問してみた。
できるだけ丁寧に、わかりやすく書いていく。
ノートの横には、私の似顔絵も書き足した。
私は絵が上手な方だった。
少し書く絵は、女子の中でも好評だった。
可愛い絵を書いて私は満足げにした。
一息つくために、下に降りていく。
シーンと静まり返ったリビング。
冷蔵庫から冷たい牛乳を取り出し
そして、コップ1杯注いで飲む。
私の浮足立ってる体に、冷たい牛乳がしみわたる。
脱力感に似た感覚が体に残る。
ー 生きている。
ー これで良かったのだろう。
勉強とクラブ、そして彼氏、私の生活が一変したのだ。
明日も朝が早い。
2階に上がり、布団の中にもぐりこむ。
なべくんか…。
今頃何をしてるのだろうか…。
私の頭や胸に熱い感覚にも似た何かがつまっている。
私はなべくんが好きだ。
浮足立ってる私。
全く勉強にも手がつかなかった
早く寝よう。
今日1日に感謝してる…。
何度も寝返りをうっては、朝になっていった。
~~~~~~~~~~
心の中はなんとなくわかっていた。
いつも彼を待っている私。
日記を手渡しするため待ち合わせ場所でたたずんでいた。
今日も上手く交換日記を渡すことが出来るだろうか。
昨日は彼から日記をもらうはずだったのに…。
バスケの部活も終わり、運動場のはしの水道の前。
彼との待ち合わせ場所だ。
昨日は、現れることがなかった。
「私のこと忘れちゃったのかしらー。」
と友達のなっちゃんに相談するが、
「きっと、日記の返事がまだ書けてなかったんじゃない?」
という。
「いいのよ、別に…。」
としたを向く。
ずっーと待っていたのに。
彼が、友達数人と楽しそうに帰ってるのを見た私は淋しくなり、夜、思い切って電話してみた。
彼の声が受話器の向こうから淡々と聞こえてくる。
ー 男の友達も大切にしたいんだ…。そういった日もあるよー。ごめん。
と彼は答えた。
ー 違う、何かが違う…。
私が思い描いていたカップルとは違っていた。
友達のなっちゃんと彼はうまい事いって仲がいいのに…。
なっちゃんの彼は優しかった。
彼女を大切にしてるみたいだった。
今さら考えると告白して、OKもらって…。
ー まぁ、いいか、
とたんに目に飛び込んでくる生徒たち、
その中に彼の面影をさがしていた。
沢山いるなかをさがしていた。
私は沢山の水道の前で、彼を待っていた。
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