第3話 初めてのおっぱい‼

俺は決意を胸にリリアーヌ先生に近づいていく。


「それじゃあ先生……いきますよ」


右手に発動させた【解析スキャンハンド】の精度を限界まで高めていく。

俺の全てをぶつける時が来たんだ‼


「出来ればいかないで欲しいのだが……」


先生は何か諦めているような顔をしている。

そして俺に問いかける。


「お前……揉むのか⁉」


「はい、揉みます」


「どうしても…………揉むのか⁉」


「卒業のためです、揉みます」


俺とリリアーヌ先生は揉む揉まないのやり取りを繰り返す。

揉むのは肩ではない、おっぱいだ。


「……それがお前の答えなのか?」


「はい」


「そうか……ふふ」


先程の諦めた表情から一変してリリアーヌ先生が優しく微笑む。

凄く綺麗だ……本当に絵になる人だ。

そしてなんだか懐かしい笑顔……


そんな真逆の表情を見せたリリアーヌ先生を不思議に思い話しかける。


「どうしたんですか、リリアーヌ先生?」


「それでこそ君だ。私は君のだからな」


「ん?そうですね先生は俺の先生ですね」


「私にも覚悟が足りなかったんだ……分かった……いいぞ」


そう言うとリリアーヌ先生は、右手で胸を隠すのを止めて正面に立つ。

そして、凛とした翡翠色の瞳で俺を見つめる。

吸い込まれそうな綺麗な目だ。


「私も胸を揉まれるのは初めてなんだ……責任は……取ってくれよ?」


「せ、責任ですか⁉」


え……一体何の責任を取れというのだろうか……

その言葉に困惑しているとリリアーヌ先生が近づいてきて俺の右手を掴む。


「【解析スキャンハンド】はきちんと発動出来ているな。しかも高レベルで……さすがアルテナ魔法学園の学年首席だな」


先生っぽいことを言っているが、この人今から教え子におっぱいを揉まれようとしてるんだよな……

ああ、何だか申し訳なくなってきたな……

どうやら心が冷静になってきたみたいだ。やっぱりやめようかな……


そんなこと思い始めていると俺の右手が今まで感じたことのない感触に包まれる。


むにゅ


どうやらリリアーヌ先生が俺の右手を掴み自分の胸に当てているみたいだ。

しかし……な、なんだこの感触は⁉ や、柔らか~い


むにゅ


こ、これがおっぱいだとっ⁉ これがおっぱい‼

人生で初めて触るおっぱいに衝撃を受けている俺に先生が話しかけてくる。


「あっ……触るだけじゃないだろ……も、揉まないと図鑑に登録できないんだろ……」


「は、はい」


クソ‼ なぜ触るだけじゃ登録できないんだよ。

この課題を作った奴は絶対性格が悪い‼ 断言出来る‼

でも揉まないと……

俺は決意を固め、【解析スキャンハンド】を発動させた右手に意識を集中させる。


むにゅむにゅ


「あっ……うっ……あっ……」


リリアーヌ先生が聞いてはいけない声を出しているが……

やましいことなど何もない、これは課題だ。卒業のための課題……なのに……


むにゅむにゅ むにゅむにゅ


くっ⁉ なぜだ⁉ 右手が止まらない⁉ これがおっぱいの魔力だというのか……

とまれ俺の右手よ‼ だめだ、右手がおっぱいに埋もれていく‼


「なぁ……アーデン……あっ……もう、登録は出来たんじゃないか……」


自分自身と葛藤している俺にリリアーヌ先生が声をかける。


はっ‼ そうだ登録、おっぱい図鑑の登録はどうなったんだ⁉

試験の詳細用紙に支給されるおっぱい図鑑と書いてあったが……

名残惜しいが先生のおっぱいから手を離し、それらしい物がないか周りを見渡す。


そんなことをしていると突然おっぱい図鑑と書かれた本の映像が浮かび上がる。

これは何の魔法だろうか……

疑問に思っているとその本のページがめくられる。


――――――

登録完了 1/77

リリアーヌ・レーベン

・大きさ  Dカップ

・形    おわん型

・柔らかさ マシュマロ

――――――


おおお~登録完了している。

おっぱい詳細にツッコミを入れたいところだが……今はいいだろう。

先生Dカップだったんですね……あれがDカップおっぱい……


「あの……おっぱ……リリアーヌ先生、登録できました」


「そうか、よかった……アーデン。いやギル。卒業試験、3年間必死に努力してきた君なら絶対に合格することができる」


「…………」


「君の夢の一部になれたようで嬉しいよ」


「…………」


リリアーヌ先生が何かを言っている。だが俺の頭は今おっぱいに支配されている。

何も頭に入ってこない。あれがおっぱい……おっぱいおっぱいおっぱい……

あぁ……おっぱい……柔らかかったな……


「君は一流の魔術師になるんだ……また……すまない……」


リリアーヌ先生は何かを呟くとおっぱいに支配された俺の頭に手を乗せる。


「【記憶メモリー封印ロック】!」


先生が何かの魔法を使ったみたいだ。

なぜだろう、すごく心地いい気分だ。



次の瞬間俺の意識はなくなった。

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