第11話 魔法少女ブリキュア その3
「変身は、どうやるのですか?」
早良が、尋ねるとブリ男が小さく笑いました。
「変身ですね。
皆さん、そうおっしゃいますね。
でも、変身なんて無駄な動き……
自然界では、そんなことをすれば死にますよ」
「へ?
じゃ、このままで戦うのですか?」
「でも、そのままでは気合が入りませんよね。
皆さん、そうです!
なので、まず貴方には3秒で服を変える力と3秒間時間を止める力を授けました。
あとは気合の入る変身のセリフを決めて衣装チェンジしてあの怪人を倒してください」
「気合の入るセリフ……」
早良が、そう言うと頭に手を当てて考えます。
「ちなみに貴方の変身するキャラクターは、そうですねぇ……
早良さんだから、ブリキュア・サーラというのはどうでしょう?」
「ブリキュア?」
「そうです」
「いいんですか?」
「なにがです?」
「大人の事情とか……」
「子どもは大人の事情とか気にしなくていいんですよ。
それも子どもの特権なのですから……」
ブリ男が、そう言って笑います。
「そ、そうですか……」
「なので、変身の決めポーズも。
『ブリキュア!変身!』でもOKです」
「それは、ちょっと可愛くないです……」
「なら、早めに考えたほうがいいですよ。
あの怪人さん、そろそろ痺れが切れそうです」
ブリ男が、そう言って指を怪人の方に向けました。
「おい!早くしないのなら殺すぞ!」
「ブリ男さーん!
あの怪人さん、なんか怖いことを言っていますよー」
「怪人なんてみんなそんなもんです」
ブリ男が、そう言うと早良は考えます。
かわいいのがいいなぁー
でも、かっこいいのもいいなぁー
「さてさて、どんなセリフになるのでしょう」
「決めた!
私、変身します!」
早良が、そう言ってポーズを決めました。
「青い光が、私を照らす!キュアな私が貴方を照らす!
ブリキュア・サーラ!」
早良の体が光ります。
そして早良は、ミニスカートに可愛らしい服装に大変身です。
「ほうほうこれは……」
早良が照れながら言います。
「これ、ちょっとスカート短くないですか?」
早良が、そう言ってスカートを手で押さえます。
「見えそうで見えない。
チラリズム、最高じゃないですか!」
ブリ男がいやらしく笑います。
「で、でも……」
早良は照れます。
「さぁ、来るなら来い!
殺してやる!」
怪人が、そう言って笑います。
「で、でも……
これだと下着が……見えちゃう」
それを聞いたブリ男が指をパチンと鳴らしました。
すると早良のスカートに下にショートパンツが現れました。
「これで動けますか?」
「は、はい……
ありがとうございます」
早良が、そういうと拳を構えました。
「はい。
お前も経験値になるのだー!」
怪人が、そう言いながら剣を早良に向かって投げました。
魔王と神と人間だもの~なんの才能もなかったヒラノがゾンビだらけの世界でヒーラーとしての才能が芽生えた話 はらぺこおねこ。 @onekosan
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