第5話 開放的な祝賀会
――村
「乾杯!」
マーガレットがそういってオレンジジュースが入ったジョッキをあげました。
「乾杯!」
村人たちも嬉しそうにジョッキをあげます。
ヒラノが戻ってきた村はすっかり活気に溢れています。
「すごいね。
みんな元気だ」
ヒラノは小さく驚きます。
「元気だけが取り柄なんだ」
カズノコがそういって笑みを浮かべます。
「元ゾンビさんたちはどうなったの?」
「アイツらはクールポコ城の城下町の村人たちだったらしい。
城の兵士たちが移動魔法でやってきてすぐに村人たちを回収して帰っていったよ」
「そっか」
ヒラノはそういってコップに入った炭酸飲料に口をつけます。
「ねぇ、教えてくれないかい?」
マーガレットがそういってヒラノの方を見ます。
「なにをだい?」
「ヒラノくんの不思議な力について」
「ああ、僕自身よくわかってないんだ」
「え?」
「なんの才能もなかった僕がこのゾンビだらけの世界でヒーラーとしての才能が目覚めただけさ」
「さっきも思ったんだけどヒーラーなの?
すごく神聖な魔法な気がするんだけど」
「ヒーラーだよ。
僕気づいたんだ。
ゾンビって病気ってことまでは解明されているんだから、その病気を癒したら治るんじゃないかって……
もしかして死んでいないんじゃないかってね。
んでゾンビになった人を試しに万能魔法で治癒したら……治ったんだ。
難しいことは僕にもわかんないんだけどね」
「はは、君にわからないんだったら私には全くわかんないなぁー」
マーガレットはそういって小さく笑いました。
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