独立都市MACHIDAを舞台とした、発明家を目指す少女の平凡な生活を描いたお話。
面白かったです。奇抜、というよりはむしろ混沌とした舞台設定の、でもそのインパクトに一切甘えることのない、どこまでも真っ直ぐなストーリー。王道の成長物語であり、青春と友情のお話であり、夢に向かって挑む少女の冒険譚。
言葉選びのセンスというか、文章がとても好きです。
ただ説明するだけでもとっ散らかってしまいそうな設定を、でもまるで持て余すことなく、シンプルかつ丁寧に話の筋を組み立てていくこの筆致。冒頭一行目の鮮烈さと、でもそれを丸ごと包むような脱力感。あと章題も好きです。三つ並べて目次にしたときの美しさ!
読んでいてとにかく気持ちのいい、なんだか読後感というか読んだ後の満足感がすごい作品でした。好きです。