その17 みんなの恩恵が羨ましいです!
村長にまあいい、向こうに行っていろと目で言われて、そのまま終わった子たちのところへと向かう。
その後の子たちはつつがなく終わって、その後ご馳走の準備に移った。
今年はお偉いさんたちが来たから歓迎の意味もあって広場でご馳走が振る舞われるんだって。
「ソフィア~!」
「あ、ヴィネーラ。ミェーチ、マーリンも!」
「マーリン算術の恩恵があったんだぜ!さすが商人だよな!」
「そういうミェーチは剣術の中でも大剣の恩恵があったじゃねえか。俺もその方が良かったぜ。」
「まあ、僕は木こりだから大剣なんてめったに使うこと無いだろうからねぇ。それに比べたらマーリンのは仕事にすぐ役立っていいじゃないか。」
「でもロマンってやつがあるだろがよ~。」
「ねえ、ヴィネーラは何だったの?」
「私は織物だった。その中でも刺繍の才があったから、今来ているお偉い様に気に入ってもらうのよ!」
「えー、すご~い。ヴィネーラが言うと本当に出来そうだね~。」
「そういうソフィアはどうだったんだよ?お望みの攻撃系の恩恵もらえたのか?」
「もう、そんなニヤニヤしないでよ。なんか測定不可って出たからまだよくわかんないんだよね。つまり、まだ私には希望があるっ!」
びしっとひとさし指を立てていい感じに決めポーズできたのになんで皆ちょっとめんどくさいとか冷めた反応なの⁉なんで!
「なんか、その……ソフィアらしいな。」
「うん、分かんないっていうとこがあんまりにもソフィアっぽい。」
「とりあえず攻撃系じゃないのは確かだな。」
皆が冷静にこくこくとうなずきながらつぶやく。
「え~なんで~そんな~」
まだ望みはつないでおきたいのにー!
っていうか皆さらっとひどくない?
「ま、とりあえずご馳走が出るんだろ。早くもらいに行こうぜ。」
そうだ。なんかお偉いさんたちが、子供のお祝いだからまず子供にご馳走を食べさせるようにみたいなこと洗礼式の最後のお話で言ってたな。
「確か俺たちが一番にもらえるんだろ?お偉いさんもたまにはいいとこあるよな!」
「よーし、ソフィア、おなか一杯食べよ!」
「うん!」
今はとりあえずおいしい物食べよう。その後、お屋敷に行ったり考えごとはすればいいや!
恩恵の測定不可とか、攻撃系の恩恵がもらえなかったらどうしようとか、色々考えることはあるけど、今はおいしい匂いがするご馳走をもらいに行くのが先だ。
とりあえずお腹いっぱいになると、いい考えが思いついたりするからね!
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