幽霊が見えてしまう主人公は、目の前で車に跳ねられた女性の死体に遭遇してしまう。無視しようとするものの、その女の幽霊は彼女に取り憑き、「婚約者が云々」という話になる。
その婚約者こそ、主人公が通うことになった高校に居たのだが、これ以上のネタバレは避けておく。
最後の言葉で、ストーブの横でこの話を読んでいた私は思わず背筋がゾクッとした。こうしてレビューを書いている今も背中に寒気を感じながら、鳥肌も立っている。
さりげないドッキリだが、このさりげなさを仕込める作家というのはなかなかいないと私は思う。面白い物語には素直に嫉妬です。