無罪人

姫乃華奈

第1話

君を感じられなくなってしまった頃から


僕は幾年もの世界を知った


雨が降る中


僕はそれを見るに耐えない状況だった


僕の番は刻々と迫る


あの鐘が鳴る時


僕は再び


君を感じられる様になるのかもしれない



僕にそれを知る権利も義務も術も無くて


僕を取り囲む黒人(くろびと)ならば


真実を知っているのだろうか…



僕は知っている


黒人(くろびと)が答えてくれないことを


僕は知っている


僕の番が”今“だと言うことを



僕は知らない


君を感じられる頃が何時かを


僕は知らない


君も音も世界も


何もかも


全てを…



そして僕は、


何も残らない。

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無罪人 姫乃華奈 @hime837

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