物語が『読める人』と『読めない人』。
皇 将
『物語が読める人間』と『物語が読めない人間』
この世の中には、二種類の人間がいる。
『物語が読める人間』と『物語が読めない人間』だ。
キミはどちらかな?
さて、ここに一枚の写真が掲載されている。
ティーカップに紅茶を注ぐ写真だ。
それ自体、さして珍しいモノではない。キミはこの写真を見てどう思った?
「ふーん、美味しそう」、それだけ?
やはりキミは『物語が読めない人間』の側のようだ。非常に残念だ。
そんなキミのために、ボクが解説を入れてみよう。
まずこの写真、スマホで撮ったモノだろうか。いや違うな。スマホなら、もっと広い範囲が撮れる。つまり「画角が広く」設定されている。この写真なら、もっと写真の角の所に何かが写っていてもおかしくない。つまりこの写真は、ちゃんとしたカメラで撮影された事がわかる。
そして紅茶を注いでいる液面にある、波紋に沿って三日月状に光る反射光だ。
このような反射光が出るという事は、波の角度とカメラの位置から計算しても、強い光がカメラとは別の角度から当てられている事がわかる。つまり、光源であるストロボが、カメラとは離れた位置にある事がわかる。つまりはストロボが遠隔操作で光っている。それ相応の機材を使っている事がわかるという訳だ。
そこまでは理解できたかな?
そしてこの写真に関しての解説を読んでみよう。「ディンブラ・ワテゴダ茶園」とある。
通常ならば、ダージリンなど無難な銘柄を言う所、茶園まで書かれた紅茶を使っているという事は、この紅茶はそれなりのこだわりを持って淹れられた紅茶だという事がわかる。この写真を撮った人間は、紅茶に関しても、それなりの知識を持っている事がわかる。
さらに理解ができたかな?
つまりこの写真を撮った人物は、相応のカメラ機材を使いこなし、紅茶の知識にも明るい、言わばかなりの知識・技術を持った『ヲタク』だと言えるだろう。
これが、『物語が読める人間』という事だ。理解できたかな?
では、ご清聴有り難う。
物語が『読める人』と『読めない人』。 皇 将 @koutya-snowview
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