第4話 怪しい薬売り



 幼馴染(馬鹿)と幼馴染(お嬢様)と知り合った僕は、その町によるたびに定期的に二人に会いにいった。


 顔出すたびに、面倒ばっかだったけど。

 なんだかんだいって、二人と絡むのが楽しいからだろう。


 たまに村の大人たちに同情されるよ。


 あいつら会うたびにトラブル巻き込まれてたり、起こしたりするから。





 そんな日々の中、怪しい薬売りの評判が町の中に出回っていた。


 イオンニッソという名前の薬らしい。


 液体で緑色してるとか。


 たまに虹色に輝く。


 そんななのに、飲み薬だというから正気か?


 飲むと、幸せな気分になるらしい。


 それ、やばいやつでは?。


 カルル村でも噂がだいぶ広まっていたらしい。


 幼馴染達の感想もこの通りだった。


「やばくね」

「あやしいわね」

 

 満場一致のあやしさだった。


 いくら2人でもそれくらいのヤバさは分かるか。


 だけどその後に。


「よっしゃ捕まえようぜ!」

「そうね、悪い人は懲らしめなくちゃ」


 ってなるのはどういうあれだよ。


 一応止めたけど、止まらなかった。


 僕達はそのやばい薬売りを捕まえることになった。


 薬売りはすぐに見つかった。


 目立たない通りに布を広げて、なんか毒々しい色の液体の入った小瓶を並べていた。


 なんか、ラメみたいな感じになって光り輝いてる。


 まじかよ。色んな意味でやばいだろ。見た目。


 まるで怪しんでくださいと言わんばかりだ。


「おいお前、もう色々めんどくさいからぶっちゃけ悪さしてるんだろ」


 で、こんな風にといつめると逆上しだした。

 

 終倍の許可書を持っていないことを暴いたら逃げ出したが、やんちゃな幼馴染達が木刀でぼこぼこにしてしまったのだ。


 大の大人をフルボッコにするいたいけ(?)な少年少女の絵面、ここに誕生。


「お前達、なんでそんな鍛えてるんだ」


 馬鹿の答え。


「えっ、だって戦えた方が恰好いいじゃん」


 お嬢様の答え。


「何かあった時自分の身を守れるのは、自分だけだもの」


 キョトン顔並べて僕を見つめるんじゃない。

 

 菜に普通の事かたってますが、みたいな顔してるんだよ。


 馬鹿はよく考えろ。理由が馬鹿っぽいぞ。

 お嬢様はどこの戦乱の世の中で生きてるんだ。


 僕はため息をついて、怪しい薬売りを三秒でしばりあげた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る