05 怪我をしても慌てない



 予定よりだいぶ遅れてしまいましたけど、一時間くらいしたら目的地につきました。

 けれど、大変。

 実は、建物に入る時に、段差に躓いて転んでしまったんです。

 それで頭をうってしまいました。


 額がちょっと痛いけど、待ち合わせに遅れるのは良くない事。


 私は急いで(といっても淑女の心がけとして早歩き程度に)社交界の会場へ向かいました。


 すると、わざわざ私の到着を待ってくれていた友人があっと驚きます。


「きゃーっ、頭から血が出てるわよ、貴方」


 あらあら大変。

 怪我をした時に頭の皮膚が切れてしまったのでしょう。


 気が付けば血がだらだら。

 衣服も真っ赤に。


 これは当然驚きますよね。


「あらっ? 何だか頭がくらくらしてきましたわ」


 ばったり。


「ナナリーさん!? しっかり!」


 何と、貧血をおこしてしまった私はその場で倒れてしまいました。


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