第3話 エイリアンへの降伏
滅多にテレビなんて見ない僕だったが、今日の正午のテレビは絶対にみるように!というアナウンスがさまざまなメディアや街頭の放送でされていたため、見ることにした。
「皇女エリカさまだ……」
日本にはまだ宇宙歴がなかったころからの皇室がある。皇室は表舞台に出ることは通常ない。だから、これは緊急事態であることが、さすがの僕にでもわかった。
「みなさん、我々人類はエイリアンの侵略を受けていました……。そして、今日、人類はエイリアンに降伏することになりました」
エイリアン!!まじかよ。
次に画面に人型のロボットが映し出される。
「コンニチハ。みなさん。エイリアンの我々は、あなた方をこれから管理飼育することになりました。あなた方は我々の養分になってイタダキマス。美味しくイタダキマスのでアリガトウ」
おい!こいつら僕たちを家畜にでもする気なのか。
騒然となる会場。
「ミナサン。怖がらないでください。我々にあなた方必要。デス。あなた方を繁殖させ、オイシクいただくだけです。ミナサンにはエサをキチンと与えますカラ」
いや、怖いわ。怖すぎだわ。しかし、地球連邦軍弱すぎだろ。
最強AIのエスカリーテ。こんなことなら譲るんじゃなかったわ。
せめて、エスカリーテと楽しくゲームやりたかった。
僕はこれから、この宇宙人たちの食卓に並ぶ運命なんだろうか。
あまりの展開に、唖然としている。正直現実感もなく、恐怖心など全く浮かばない。
ただただ、無力な自分を噛み締めるだけ。
「ピンポン」
おい!出ていいのか!
「コンニチハ」
おい、宇宙人かよ。
「イナイのですか?イルス使っているのはわかっています。アケますネ?」
うぉおおお。食われるのは絶対にイヤだ。
その時だ。ドアに衝撃が走る。
扉が開くと。そこにいたのは、ゲームで見たままの姿のエスカリーテの姿だった。
美しく伸びたながい金髪。深い紺色の軍服とたくさんの勲章。
そして、軍服を着ていても隠せない女性らしい曲線の胸と腰。
「ヒロさん、間一髪で間に合いました。無事で良かった」
脇には彼女に破壊されたのであろうロボットの残骸。
そして
「あれ、地球連邦軍の小将さん?」
「ヒロさん、奇遇ですね。あなたには、これからレジスタンスに入ってもらいます」
と同じように黒い綺麗な髪をした彼女は言った。隣あわせの2人は髪の色こそ違ったが姉妹のように雰囲気が似ていた。
「え、え?」
「時間ないんで、とりあえず。来てください。ここは危険です」
と黒い髪のエスカリーテは言った。
「はい、ヒロさん。これから我々はHのための訓練をしなければ!」
と金色の髪のエスカリーテは衝撃的な言葉を言った。
「あ、作戦名のコードですから。勘違いしないで」
と黒髪の彼女は釘を刺した。
僕はうなずく。
たとえ、戦闘訓練だとしても、あのエスカリーテと一緒になれるなら、男なら行くしかないだろう。それにエロゲーのヒロインと一緒なら、期待していることも当然できるに違いない。と本能が告げている。
金髪の彼女は
「ありがとう。銀河の未来のために頑張ろう!」
と笑って僕の手をとった。
僕は彼女たちに連れられ、彼女のいうレジスタンスの本拠地があるオフィスビルの隠し部屋へと向かったのだった。
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