第8話 新浦島太郎伝説 筋肉隆good城
a long long 顎
あるところに、ウラディミール・タロンティンという若者がいました。
ウラディミールは海辺の村に住む青年で、浜球のスラッガーである。
その活躍はすさまじく、前シーズンは三割30本を達成。優勝に大きく貢献した。
今日はペナントレースの前半と後半のちょうど間にある休日で、気晴らしに海へ釣りをしにやってきたところであった。
早速岩場に腰を下ろし釣り糸を垂らしていると、遠くから何やら騒ぐような声が聞こえてくるではありませんか。ウラディミールが目を凝らして辺りを見回すと、浜辺に数人の人だかりと、一匹の亀が見えました。
その後なんやかんやあって亀を助けたウラディミールは、お城に招待されることに。
海の底には、とても立派なお城がありました。
亀の案内で城内を進んでいくと、玉座のある大広間に着きました。
「あちらにおわすのが、乙姫さまでございます。」
亀が云う。
「イカにも。」
「タコにも。」
それに続いて筋骨隆々の、頭がタコとイカの大男が腕を組んで頷く。
「この度は家臣の亀を助けて頂いてありがとうございます。」
乙姫なる人物は、いやこの場に居る者たちの大半が美しい筋肉をしていた。
どのような鍛錬をしているのかを尋ねたウラディミールはひどく感銘を受け、この城にしばしのあいだ食客として留まることに。
それから数えきれない時間が経ちました。
納得のいく肉体を手に入れたウラディミールは、城を出ることにしたのでした。
海から村に帰ったウラディミールは、そこで何百年も時間が過ぎていることを知りました。
ウラディミールは悲しみに暮れました。
自分が打ち立てたシーズン記録が過去の記録としてとっくに追い抜かれていたからです。
そんなとき、親友の子孫であるという青年に
「記録は超えるためにあるんだ。」という熱い言葉を掛けられ、
再び浜辺野球の戦士として立ち上がったのでした。
めでたしめでたし。
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