第50筆 橋の修復。
「リベロン様、生きていたんですね! 消息不明だと聞きました。」
「姫様のお陰で復活出来ました。私はこの下で臥せっていました。して、強き力を持つ君は? 」
さっきから相変わらず視線が強い。俺を品定めしているかのように、肉体を通り越して魂を見透かされている気分だ。
「俺はシン・イーストサイドです。冒険者カードを見て貰った方が早いのでどうぞ。」
「ありがとうございます。……異界の若き神ですか。召喚師ということはついに終末戦争が来ると。君は赤き召喚師そのものだ。」
「はい、その異名に恥じぬように精進しております。」
「では、私は他の精霊と妖精の力を覚醒させなければなりません。これにて失礼―」
「ちょっと待ってください! 」
はい、いつものやーつ、通話ネックレス~!
説明した部分はカットね。
「有事の際に使わせて頂きます。では失礼致します。」
リベロン様は背中から巨大な揚羽蝶の翼を出現させて飛び立った。
「そうなると精霊魔法が復活するのですね? 」
「あ、起きたんだね。そうだよ、ウィズムちゃん。8500年振りに復活するよ。」
「魔法が消失したのって六聖魔法じゃなくて精霊魔法だったのか!? 」
「あれ、シンくんに言ってなかったかな~? 」
「全然言ってない! 初耳だぜ。」
「ごめんね、私のうっかりさん。」
「おい~、ルゥ起きれるか~? 」
「そろそろヨエル湖につくの~? 」
「あぁ、つくぞ。目の前にあるからな。」
数百
───────────────────────
「しっかし、ぼろぼろですね。」
「向こうにいる門番が怪しく見張ってるな。修復するか? 」
「新開発します。【
そうさっ、俺はロマンを求める男、シンだぁ~♪ (ミュージカル風に)
「うーん、無いですね。」
「ありませんね。」
うぅ、誰か劇画タッチのメイクを俺にしてくれ。その表情になるくらいがっかりしている。
──だが、しかし! なければ創るのみ!
俺の中二病時代に開発したルーン文字を書いて召喚!
「お札が出てきたな。シン、これを貼れば良いのか? 」
「お願いします。」
オロチさんが欄干に二つ、橋の本体に一つペタリと貼り付けた。ミューリエの緑化を見て思い付いたことがあるから試してみる。神の気を送ってお札の修復能力を増加して癒しの力へと変換する。
「
ヒビだらけだった橋は見事にくっついて鏡面加工された純白の石橋へと変化した。灰色の石レンガだったんだけどかなり改変された。
「癒しの力を応用したの? 」
「思いの外上手く行ったから心外だよ。」
「おい、貴様! 何をした!? 」
壊して新設するより目立ったかな、これ。門の前にいた人が駆け寄ってきて槍を突き立てた。
それに対し、オロチさんが腐らせた。
「【
「むっ。今は入国拒否期間だ。相応の立場にある者ではないと通ることは出来ない。」
「私はミューリエ・エーデルヴァイデです。」
「俺は第108代イカイビト、シン・イーストサイド。火・水の
「え!? 大変失礼致しました! ミューリエ様には以前の恩があるのにも関わらず、無礼を働き申し訳御座いませんっ!
レナーテ様から直通の転移門にせよとお達しが来ておりますので直ぐに準備致します! 」
「あー、良いんですよ。ゆっくりで大丈夫ですから。」
「直ぐに準備致しますからっ! 」
「聞いてないね、これ。」
「ですね。」
「ラルクっ! 直ぐに天峰城への転移門へと繋げっ! ミューリエ様がいらっしゃった!! 」
「ミューリエ様がっ!? 本当だ! ミューリエ様だ! ご無沙汰しております! 急ぎ繋げますゆえ!! 」
「繋げ、転移門!」
誇らしくも高らかに唱えた言葉に呼応して門が開く。門は大きさ50
「お渡り下さいませ! 」
「ありがとうございます。」
「謁見の間直通ですので! 」
門を潜ると天井が高すぎる建物に玉座に君臨するのは白い髪の女性だった。
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