第9筆 ドラゴンレイド前編 (改稿)
「おーい、頑張ってくれーみんな~!」
報告者の男がぶんぶんと手をふって村の外まで送り出してくれた。
あの人は普段は陽気な人なんだそうだ。
緊急事態だからパニックで口調が荒くなったのも無理はない。
では行くぜ。討伐へ。
〘
俺は早速、召喚用画用紙に馬4匹を描いた。
〘
赤兎馬、白馬、栗毛馬、黒馬を召喚した。
しかも四頭ともなんやキラキラしとるで。
歩いた後に光の粒が飛んでいっているんだが、なんだこれ?
「皆さん乗ってください。急ぎましょう。」
「流石、私のシンくん!白馬だぁ、可愛い! ♪」
おぉ、ミューリエが
「それが召喚術ってやつか?絵を媒体とするんだな。私は栗毛の馬に乗ろう。」
「召喚術は面白いな。儂は黒馬に乗る。」
俺は残る赤兎馬に乗った。赤い馬なんて珍しいもんね。皆気味悪がって乗らない。
勿論そのつもりでこの子を召喚したんだけどね。
赤兎馬は皆の目に対して沈んでいたが、俺が「大丈夫、君は珍しいからびっくりしているだけだよ」と慰めたら表情が明るくなった。
俺が乗ると※クールベットをし、『行こう、行こう』とせがむので出発した。
※後ろ足のみで立つこと。竿立ちとも呼ばれる。
始まりの草原を颯爽と駆け、馬たちが走った後に光の粒と軌跡が走る。めちゃくちゃ速い。時速80
道中、目が赤く光る筋骨隆々なゴブリンを見かけた。
馬に追い付けないかと思いきやヤバイ。全力で追いかけて来始め、今にも捕まりそうだ。
「ちっ、
ダルカスよ、わかったけど目がやっと追い付いているんだ。
ウィズム助けて。
『シンさま、この速さの影響で新スキル【超視力】を入手しましたよ。これで音速まで見えます。
後、口調が変わったと指摘されるかもしれませんが、ボクは成長が速いのです。』
まだ会って2日だぜ。成長速いな。あの口調も好きだったんだけどな。
『そ、それは……その………甘えたい時に使います。』
不覚にもドキッとしたわ。いかんいかん。俺にはミューリエという純愛を決め、花嫁予約を入れた女神がいるんだ。
このボクっ娘AI伸びるぞ。男を数々惚れさせるぜ。
うし、このスキルのお陰でめっちゃ見えるぜ。
早速召喚~。あっ、これくらいの、簡単な、雷を描き描きして~。ゴブリンめがけてイメージして召喚だ♪
「喰らえ、【
「ウギャァァーー!! 」
ゴブリンバーサーカーが悲鳴をあげ、
うわぁ、怖い怖い。上位互換機能怖いわー。
(真顔)
「シンの若造よ。特級魔法、雷撃じゃねえか。初手でその威力とはやり過ぎじゃ。」
そう言っておきながらディルク爺、指先から出したろうそくサイズの火でゴブリンを木っ端微塵に爆発させてんじゃねーかよ!?
ぽん、ぽん、と可愛い音がするけどものすごい勢いで発射してる。
「ほう、シンは中々だな。ゴブリンキングか。あいつを狙おう。
〘
ダルカスは一体のリーダーらしき王冠を着けたゴブリンにやたら太い矢を打ち、脳天に直撃させた。曲射である。
勿論リーダーは即死したが、太い矢が開いた。ここからが悪夢の始まりだった。
その矢が展開、よく見ると無数の黒い杭が格納されている。心配するリーダーに集まったバーサーカーに刺さっては貫通し、生き物のように楔が動き周り貫通をし、無数の風穴を空け絶命、ほとんどが倒されていった。
一方ミューリエとルゥはというと。
「ルゥちゃん頼むね! 」
「きゅうううー!! 」
俺はルゥが信じられないことをしているのを見た。
残ったゴブリンたちがいる場所の空気が蜃気楼のように
大気がキイィィィンと音を立て、振動し、ゴブリンがぐわんぐわんと歪み、
パァァァーーーン!!
と耳を塞ぐほどの爆音が鳴り響いた。
空気を圧縮した手のカタチをしたものがゴブリンを潰していた。
超視力で状態を見るとぺったんこになった残りのゴブリンバーサーカー等だった。
ルゥを敵に回してはならん。潰される。
こっちが本当の悪夢だった。
あの、ルゥが、重力を操作した!?
『土属性神級・重力魔法ですね。ルゥちゃん凄いね! 』
「おいおい、土属性魔法の極致、重力操作か!?」
「あのルゥというスライム、重力を操るか。」
「ルゥ、どうして重力操作ができるんだ!? 」
「ルゥちゃんがね、出来るかも、っていってたから試してもらったの!」
「きゅうう、きゅう!!」
「初めての討伐楽しいね!って言ってるよ!」
「どうして言葉がわかるんだ?」
「シンくん忘れてない?私は女神だよ?」
「確かに。この世界に住む者たちの言葉がわかってもおかしくないね」
そうでした。ミューリエさまは、エリュトリオン出身の女神。わからないわけがない。
デモンストレーションにはもってこいの客、ゴブリンたちだったな。
そろそろ着くはずなんだが………。
「ありゃあなんだ?」
「なんじゃありゃあ?」
「えっ?シンくんあにあれ?」
「でかすぎない?」
それは山のようにデカい50
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