部活の同級生と先輩
週末が過ぎ、月曜日という平日が始まった。なんてことはなく、何も変わったことは起きないで時間は過ぎ去っていく。
「さようなら」
そして放課後になった。今日はバイトにはいかない。
喜瀬里さんに学業優先といわれているからな。部活に行かないといけない。
毎週月曜日が部活の日だが、たまにバイトに行ったりもしている。
別に部活をさぼっているわけではなく、部活がなくなるからなんだが。毎回喜瀬里さんに疑われる。
そもそもよく言われるのが、「毎週一度しか活動しない部活って何なんだい?」といわれる。
何なんだいと聞かれてもそういう部活としか言いようがない。
何部なのかといえば、文芸部だ。部員八人、そのうち幽霊部員が五人いるから部活に来るのは俺を除けば先輩と同級生の二人だけ。
顧問の先生もめったに来ないし、部室は城のようなものだ。俺以外二人の。
「こんにちは」
「おお! 神門君いらしゃい。さあさあ座りたまえよ!」
「いらしゃい」
この濃いキャラの人が副部長という肩書だが、部長が幽霊なので実質部長の
陽香先輩はショートヘア―で色白い肌をしている。
静香ちゃんのほうはロングヘアーとかであっているかわからないがとにかく髪が長い。
前髪も目が隠れて見えているのか怪しいくらいにが長いし。首痛くならないんだろうか。
移動教室の時、廊下なんかですれ違うと髪をまとめているのをみかける。
校則じゃ肩より伸ばしちゃいけなくて、長いならまとめろって書いてあるからな。
二人とも校則にスカートの丈が明記されてないんでひざ下のスカートをはいている。
ちなみにこの学校でひざ下のスカート履いてるのは弐闇姉妹だけだったりする。
まあ、落ち着いて見えるから俺はこっちのほうが好きだ。
まあ、俺の好みだなんだという話は置いておいて。
あまり人と関わらない俺だが、この二人とは関わりやすくて助かる。
「今日は何するんですか?」
「よくぞ聞いてくれた! 我々は文化祭の準備をしなくてはいけない。なぜかわかるかな神門君!」
「部員少ないからですか?」
「まさしくその通り!部長は失踪し顧問にすら見放されたわが部活は今から準備しなくては間に合わない。時に神門君文芸部が文化祭で何をするかわかるかい?」
文芸部が文化祭にすることって言ったって、普段の活動がな。ここにいて話してるだけだから予想がつかない。
「なにか作るんですか?」
「そう、文芸誌を作らないといけない」
答えたのは静香ちゃんだった。
「部員一人一人がエッセイとかを書いてそれを本にするの」
「書くのは何でもいいさ!何なら俳句や川柳とか、簡単なものでもいいとも。私は小説を書くつもりさ」
陽香先輩はネットに書いたものを載せていると以前言っていた。たぶん今も書いてるんじゃないかな。
「わかりました。でも手伝ってほしいいです何にも知らないので」
「もちろんだとも手取り足取りいろいろなことを」
「私たちが教えてあげる」
急に二人に詰め寄られ、昨日のこと思い出して後ずさる。
「おっとすまない、驚かせてしまったか。だけどわからないことがあったら直ぐ言ってくれたまえ。色々と教えてあげるからね」
文芸誌に何を載せるか、それを話しているうちに時間が来てこの日は終わった。
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