3話 このめんどくさい手続きは何?Σ(‘ω’ノ)ノ

自販機は、2台あって、1つは飲料水、もう1つはハンバーガーの自販機だった。

どちらも、聞いた事が無いメーカーの自販機だった。


「家臣くんは何バーガーが良い?」


メニューには、チーズバーガーと、ダブルチーズバーガーと、トリプルチーズバーガ―が有った。


結局、チーズバーガーしかないらしい・・・どんな自販機やねん!

僕は普通のチーズバーガーを押し、由良穂香は、トリプルチーズバーガーを押した。


そして、部活用のショルダーバックに、トリプルチーズバーガーを入れた。


たしかそのバックの奥には、濡れたパンツが入っているはずだ。

袋で密封されているとは言え・・・


それで思い出したけど、あるじはまだ短パンの下には、パンツは履いてないんだった。


そんなあるじは、嬉しそうに、

「家臣くん・・・この自販機、実はですね~」

と僕から取り上げた財布から、100円投入した。


すると当たりくじ付きの自販機が、ピピピと音を立てた。


「あー外れた」

自販機の下から、瓶に入った炭酸水が出てきた。

もちろん見たことがないメーカーのだ。

「じゃあもう一回♪」

再び、自販機ピピピと音を立てた。

「あー外れた」


次はオレンジジュースが出てきた。


「もう一回♪」

「えっ?もう2つあるけど・・まだ飲むの?」

「そう言う事ではないのです」


由良穂香は再び、100円を投入した。

「あーまた外れた・・・。」


まあ良いや。さっき一万円貰ったし・・・

僕は、あるじに好きなだけやらせることにした。


「あーどうしよう。小銭がこれで最後だ。」


すでに、彼女の部活用のショルダーバックには、

10個以上の飲料水が入っていた。


「うん、最後のチャンスは家臣くんが、押して!私、こういう運、絶望的だから・・・」


と、絶望した由良穂香に代わり、僕は10円5個50円1個を投入して、ミックスジュースを押した。


ピピピ・・・ピピピピピピピピ


「やったー当たった!」

と喜ぶ僕に


「えっホントたった一回で?」

と、自分の運の無さを確認するかの様な哀しい目をした後、素早く錆びた自販機の出口に、手を突っ込んだ。

そして、そのまま自販機を「ガチャ」と開けた。


「えっ?」


自販機は開かれ、その奥には、何かの通信機器が入っていた。

それは携帯電話としては大きすぎる携帯電話だった。


「電源ロスが起きても使える奴だよ」

「なんでそんなものが、自販機の中に?そして、このめんどくさい手続きは何?」

「それは追々説明するね。今の家臣くんは私のお尻だけを、追いかけていればいいの♪」


そして僕は、ワゴン車に戻るセーラー服に短パン姿のあるじの後を追った。


ちゃんとした服装を早く着せてあげたい。

家臣として、そんな事を思った。



つづく 

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