女の子
別にこの生活に不満はない。
食べ物には困ってないし、家族仲も特に悪くない。
お金も贅沢・・・とまでは行かないがあるし。
でも時々思う、もし両親が離婚してなかったら?学校でいじめられなかったら?誰かに相談できてたなら?
もっと普通な女の子になれてたかもしれない。
ー
昔は両親の仲は悪くなかったと思う。
色んな所に連れて行ってくれたし、ふたりとも仲よさげだった
両親は駆け落ちまがいな事をして結婚したと聞いた。年の差結婚だ
憧れもした。いもしない王子様を夢見てた。
そんなある日、親に突然離婚したって笑いながら言われた。
離婚の概念はわかっていたけど、何も言われずにするとは思ってなかった。
友達がどうしようって悩んでたのを聞いたからだ。
”お父さんとお母さんどっちについていけばいいのかわからない”って
私は何も言えなかった。
それからそのことをぐるぐる考えるたびに、失敗して学校でいじめられ始めた
辛かった。傷が増えた
嫌悪の目で見られるたびに涙が出てきた
私は自然と学校に行かなくなった。
親に殴られたけど行きたくないと言い続けた
ある日、先生が家を訪ねに来た。
「あなたが来ないから、どうしたら来てくれるかって毎週職員会議やってるのよ」って
暗に、『お前が来ないからわざわざ職員会議やってるんだ』って言われた気がした。
吐き気がした。頭痛がした。
もう何も考えたくなかった
家族の空気も最悪だった。
妹と弟は離婚したことを知らない。まだ幼いからだ。
どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?
私だってまだ子供だ。
まだ子供なのに、なにも言われず離婚して、笑って話される身にもなってよ
とたんに母が作った料理に吐き気を覚えた。
今日あったことを笑いながら話す弟
美味しそうに食べてる妹
母は笑ってる
私は笑ってない
その時から、食卓にいけなくなった。
もう四人で食べれなかった。
ーーーー
それから1年、ようやく学校に復帰した。
家にいてくなかったからだ
あのあとはなんでご飯を食べないんだって殴られた
泣くんじゃねえって殴れないからって
冷たい目で見られたけど、もう平気だ
何も思わないことにした。
そうすれば段々と反応のない私に飽きる。
そうやって自分を守った。
そのうち、現実で何も言えない分何でも言える仮想の世界にのめり込んだ。
笑って過ごせる唯一の場所だった。
過ごしていくうちに相談が来るようになった。
相手の望む言葉を返すだけのかんたんなお仕事。そうすれば好感度が上がる。
相談という名のただの愚痴だ。
そう学んだ。
たまに意見を求められる。
私は思ったままを返すと、全員が「大人だね」って返してくる。
お前が子供じみた考えだからだよという本音を隠して「そんなことないよ」って返す。
大人になんてなりたくない
ずっと子供のままがいい
普通になりたかった
普通になれなかった
何が原因?
わからない
殴られたくない
殴られたくなかった
笑って、友達と過ごせる人間になりたかった
なれなかった
素敵な恋が欲しかった
両親の離婚と、泥臭い恋愛の相談でそんな恋などないと知った
なんでこうなった?
いつからこうなった?
私は
わたしは
あれ?
なんで
なんで
いきてるんだっけ?
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