姉を捜すために旅に出たフォズオラン。
彼女が旅をしながらいろいろな人と出会い、時間を共有し、心を通わせ、そして別れ、その先で姉に会う物語。
その旅路は、リアルです。
世界を救うわけでもなく、明確な敵と戦う運命もない。それでも道々で戦い、戦争が引き起こした悲劇を目撃していく。それでも彼女の目的はただひとつ、姉に会いたい。
それは現代に生きる私たちが、生きる理由に似ている。日本を変えたいとかじゃない、でも家族は守りたいんだって。
誰が正しいとか正しくないとかじゃない、ただ家族だから。
最終話を読んだ後、しみじみとフォズオランと一緒に旅して出会った人たちの顔を思い浮かべました。元気かな、また会いたいなって。
そして、フォズオランの旅は、どんな形であれ続くのだろうな。これから先にもきっと物語があるのだろう。
そんな気にさせてくれる良い話でした。