第5話
簑輪さんは僕のせいでいじめられ始めたって思いたいようだけど、あくまでそれはきっかけにすぎないというか、いやまぁ責任は感じてるよ。だって僕が簑輪さんの隣の席だからってだけでカンニングしましたなんていう内容を至るところに流したんだから。
えっ、初耳? まじか、言うんじゃなかったかな。いやぁ、じゃあなんで僕に目星をつけたん?
えっ、なにそれ。知らね。ほらな、皆適当やねんって。簑輪さんの友達は、僕があのクラスのいじめる力が自分にかかっていることを簑輪さんに押し付けるために色々やったことになってるけど、たぶん記憶違いな気がする。だって、僕は嫌がらせがうざかっただけで簑輪さんをいじめたいと思わなかったし。
みんな適当やねんって。というか日本語が適当なんかもな。公文書も捨てるらしいやん、この国って? だから不要な記憶なんかいつまでも持っとかんと捨てるか捏造するかやな。安倍みたく。
で、僕がいつか簑輪さんの教科書に落書きした? いやいや、僕ちゃうやろ。隣の席やからってなんでそんなことしなきゃなんないねんって。あ、いつか簑輪さんの給食に綿ボコリ入ってたとおもうねんけど、あれは僕の記憶では三浦さん。そう、わりと陽キャよりの女子。まぁ実行犯は、誰やったかな? 僕ちゃうよ。僕は簑輪さんのパンなら食べたことならあるけど。食べさせられた、というべきかな?
いや、聞いてよ。簑輪さんがいじめられてたときにさ、簑輪さんの食べかけのパンを僕のお盆におかれてさ、食うまで肩を殴られるねんな。そういや、あれ先生の机の近くでやってたけど、そう森川。あいつヤバイよな。ぜーんぶ見てみぬふりやけど、まぁあいつ自信がいじめっこ上がりの教師なんかもと今なら思えるよ。
そうそうオモロイ話。さっき、消ゴムを奪われたりで面倒やったって話したやん? んで、僕が文句を言おうものならあいつらすぐに逃げるねんな。僕一回だけ、逃げないように授業中にそいつらの頭を水筒でぶん殴ってんけど、森川、僕にしかキレへんだからなぁ。
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