第6話

簑輪さんがいじめられてるって聞いたときは、あぁやっぱりって思ったよ。だって森川先生とか、絶対に簑輪さん嫌いやろうから気づいても野放しやろうし。森川とか絶対に人が嫌な目に合ってるのをみて喜ぶタイプやろ? というか、喜びって単色じゃなくて、様々で、「あらあらひどいねぇ」とか「どうして世の中にはこんなことが」っていう無駄なことに頭を使うのも喜びのひとつやろうし。そして、今の僕も「僕って世の中をわかってる」と内心で喜んでるし、簑輪さんも「自分の人生を直視してる」と喜んでる。でも、急に死にたくなるかもしれないから、二度と僕には会わない方がいいんじゃないかな。僕も、いま、すごく死にたい。できれば、簑輪さんと関わった記憶全てを消してしまいたい。これは本当。


そうそう、小説ってエロシーンがいるやろ? え、だってくそしょうもない性描写で文字数稼いでるやんか。だからそろそろ読者のためにエロシーンを入れてあげる。


僕、当時から色白で肋とか浮き上がってたタイプやねんけど、乳首だけは真っ赤で、皆がそれをいじりにくるねんな? 体育で着替えるんで、裸になったら襲われる。デブやった城野、あいつが僕に襲い掛かってくるねんけどあいつだけガチやった気がする。いや、あいつたぶんオカンの香水借りてたんかしてフローラル系の匂いがしてて、んで、僕もあいつの脂肪でパンパンになった腹とかを揉むねんけど、すげぇ柔らかい。いや、むかつくから金玉とか握ってんけど、チンコの先端が手のなかでムニっと虫の幼虫みたいに動いたとおもったら、あいつ勃起しててビビった。いや、腹立つから手コキしてみたら、僕の手の中で射精しやがってさ。ウケるやろ? 耳元で「だまっといてくれぇ」って泣きそうな顔でいうのを見ていらい、アイツだけとはずっと友達な気がする。え、精液は次の授業が水泳やったし塩素のところで洗い流したけど。


まぁ、なんというか僕から話せるのはこれくらいというか、話すの面倒になってきてるねんけど。聞きたいことある?


あぁ、そうやな、なんで簑輪さんをカンニング扱いしたかか。

転校生だから押し付けやすそうとかそんなことはちらっと考えたかもしらんけど、別にいじめのターゲットは鈍足とか不登校とかなんでも良いのに簑輪さんである必要ないと思うしね。今の僕が思うなら、当時の僕もそう思ったんじゃないかな。たぶん、隣にいたからかな。ごめんなさい。

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