ソル星系外惑星鉄道ステーション群


 標準ステーションは、ヴィーナス・ネットワーク・レイルロードと呼ばれる宇宙鉄道の一般的なステーションですが、拡張オプションと呼ばれる物が有ります。


 直径三キロの球形の宇宙船タイプを四隻、標準ステーションを中心にピラミッド型に増設するのです。

 この増設宇宙船は、二層構造で中心部には小型ですがマイクロブラックホール発生装置があり、母船と同調することも可能となっています。


 三隻分でほぼ母船のマイクロブラックホールと同程度の能力を発揮します。

 母船並みの、マイクロブラックホール発生装置が二基あれば、宇宙を渡れることになります。

 残りの一隻分が予備動力となり、これだけで何とかワープもできます。


 第一層は基本的には何もなく、必要に合わせて改装される事になっており、予備保存ステーションとも呼ばれています。

 このタイプをユニバースは、宇宙鉄道沿いに無数に配置しています。


 これは使いようによっては、とんでもないものなのです。

 マイクロブラックホール発生装置をオーバーロードさせて相手にたたきつけると、そのあたりの空間は消滅してしまうことになります。

 二隻を衝突させると、もっと壮大な破壊がおこります。


 増設したタイプは、標準型拡大稼動ステーションとよばれています。

 もっとも標準ステーション自体も結合できますので、必要に応じて拡大できます。

 こちらは標準型結合ステーションと呼ばれていますが、今のところは、そこまでの物はないようです。


 また標準小型ステーションと呼ばれる物もあります。

 これはローカル路線などに配置されるもので、直径五キロの球形、二層構造になっており、中心部に重力発生装置がついています。


 内部空間に、内殻都市とよばれる乗員用の都市と、各種の修理工場や補給倉庫があります。

 軍用の個人携帯用兵器や、被服などの製造工場も完備しています。


 天井である表層と呼ばれる第一層の下には、天井都市と呼ばれる居住区もあります。


 表層の上には、宇宙鉄道のステーションや、外殻都市と呼ばれる都市があり、この部分一万名分は即時稼働状態です。


 まあローカル路線などに、配置されていますがね。


 さらには軍事要塞ともよべる、大型の衛星クラスの重要ステーションもあります。

 それとは別に大規模円筒形ステーションもありますが、これは動くことができますが、惑星住民を乗せて避難する移民船のようなものです。

 民間主体のもので、内部都市空間が優先されています。


 かなり発展し、安全な地域の最重要惑星に配置されるもので、防御戦力はかなりの物があります。

 今のところ、フォボスステーションだけではありますがね。


 ヴィーナス・ネットワーク・レイルロードには、貨物鉄道とも呼ばれる鉄道があり、通常の旅客鉄道路線はロングワープで通り抜けていきますが、貨物鉄道はショートワープを繰り返して走ります。


 そこにはステーションとは名ばかりで、戦闘用の宇宙船が膨大に配置されています。

 軍用路線と言われる通り、ヴィーナス・ネットワーク世界を守るのが三大ミリタリーの一つ、ユニバースの使命。


 オルメカが正規軍とするなら、ヨミが警備部隊、そしてユニバースが治安部隊の位置づけですが、ヴィーナス個人の親衛部隊としてのユニバースは、この配置されている軍事ステーション群を全力動員すれば、オルメカの軍事力に匹敵します。

 一度として反乱などしたことのない、ユニバースへの信頼は厚いのです。


 この貨物鉄道は非公開、今のところ民間輸送は許可制、そのためマルスのナーキッドは、ソル星系内の独自の民間輸送を申請したのです。

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