ガリレオ衛星ステーション 其の二


 第四階は最低限の生存用の設備、非常用の飲料水と食糧、汎用管理ロボット、十メートルクラスの汎用小型上陸宇宙艇など、簡素なものではありますが、何とか製造できるようになっています。


 第五階は貯蔵倉庫とサブ操縦室とカプセル仮眠室。

 この室はカプセルホテルのようなもので、我慢さえすれば生存できるようになっています。

 ここで寝泊まりして、第四階で社会生活をするわけです。


 貯蔵倉庫は常に五万名分のあまり美味しくはないですが、非常用備蓄食料が二百年間分真空冷凍されています、管理はロボットがすることになっています。


 本当にいよいよになって、第三層をノヴァとしても、第四層以下で、何とか戦闘しながら生きていけます。

 汎用管理ロボット、汎用宇宙上陸艇などは戦闘も可能なのです。


 ただ大幅に戦力はダウン、防御戦闘しながら逃げる事になります。

 この第四層をノヴァ化して第五層以下になった場合は、備蓄食料を消費しながら、最寄りの惑星世界にたどり着く事になります。

 

 第六層の下は動力炉、つまりマイクロブラックホールによるエネルギー発生装置が置かれています。

 各種の制御用コンピューター、管理ロボットが常駐しています。


 もし万一、この動力炉が停止しても、補助動力がありますがワープは出来ません。

 補助動力は星系を行きかう程度のものなのです、おもな用途は惑星に近付くためのものですから。


 もし動力炉が停止しても、補助動力が生きていれば、第四層以下の生活について、ワープ以外は問題ありませんので、最寄りの惑星世界へ、救助を求めることになっています。


 さらに補助動力も停止した場合、各階には非常用小型核融合炉が設置されています。

 これは全ての動力をなくした場合でも、その階の最低限必要なエネルギーをまかなうためです。

 上手く使えば、五十年はエネルギーをまかなえます。

 高性能バッテリーも搭載しており、恒星からの熱や巨大惑星の潮汐力を変換して、ためておくことができます。


 いつもフル充電してありますので、万策尽きた場合、これを使用して救助を求め、全員冷凍冬眠となります。


 また各階には、非常用各階管理コンピューターも設置されており、非常用小型核融合炉が稼働した場合、こちらも目覚めるようになっています。


 この標準型ステーションは、それなりに移動できます。

 宇宙を渡ること事こそできませんが、一つの宇宙なら自由に動ける宇宙船なのです。

 基本的な構造はヨミ号を参考にしたようです。


 第一階の面積は日本の札幌市並みですので、二百万人は住める計算ですが、第五階の面積は日本の八王子より心持ち大きい二百万平方メートル程度、まあ五十万名を最大定員の目安とされています。

 稼働を始めると、この程度の人口は養える訳です。

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