ドロドロした話で、ドラマのワンシーンのようでした。
主人公がただ叩かれて呆然とするのではなく、相手がなぜ叩いたのかを推察する部分に彼女が今まで辿ってきた人生が垣間見えました。
また、「掃き溜め」という表現には反発というよりも人生に対する諦観を感じました。
今まで続けられてきた、そして今まさに受けている理不尽な仕打ちは、これから先も続いていくのだろう、と。
タイトルの「待宵草」の意味について考えてみました。
おそらく綺さんは相手に嫉妬させるくらいの美人ってことなのでしょうね。お母さん似なのだと思います。
そして義理のお兄さんは「今は花のつぼみを大切にしている」けれど「宵がきて花が咲くのを待っている」という暗示なのかなと思いました。
再来年になって主人公が十八歳を過ぎる頃、七歳差の二人の関係がどうなっているのか気になりました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます!
タイトルについて考察してくださった方は初めてです。しかも、深い!もちろん、意味を与えてつけた題名でしたので、注目してくださって感謝です。
この2人については、今後も書いて行きたいので、また機会があればよろしくお願いします。
釣られた振りをして帰ることにする>
個人的に印象に残った一文です。
この場合、拓哉が送ったメールは何気ない日常茶飯事の一環とも取れるし、綺が帰りやすい理由を作るための優しさとも取れます。
いずれにせよ「プリンに釣られる妹も悪くない」と言い切る綺のお互いがお互いをよくわかってる感が非常に良きです。
短編でありながら、登場人物の背景に関する想像が容易に膨らむ辺りに筆力の高さを感じました。
作者からの返信
読んでいただき、お星様もありがとうございました!
また、お褒めの言葉も嬉しいです。
結構お互いをよく見てますよね、あの2人。
彼らの話も、これから短編とかで書いて行きたいなと思っています。
ありがとうございました。