第6話 さばく

「ん...」


僕は日が昇るころ、目を覚ました。


起きたら昨日と同じ状況だった。違うところと言えば、ここがトラックであることくらい。

起こしても悪いので、このままルルが起きるのを待つことにした。


「...んぁ!ぼとる...?おはよ。」


「おはようございます...あの、これ...///」


「...ごめんね...しばらくこのままにさせて...?」


寝ぼけてるのか知らないがすごいこと言ってきた。

そして彼女は幸せそうに眼を閉じた。


(どうしよう...///)


~ルル目線~


(あぁー!神様!寝ぼけたふりしてこんなことしてる私をお許しください~~!!!)


~ぼとる目線~


(どっ、どうしよう...///僕はこのままでいいけど...いや、僕はそういう人ではないんだよ?ただ、動けないし、動こうとするとルルが起きちゃうから、仕方のないことであるからしてこれは、不可抗力だ、不可抗力。)


しばらくたって日が強くなったころ。


(さすがにこれはまずいな...)


「あ、あの、ルル?もう日が真上に来そうだよ?」


「...んぁ!おはよう、ぼとる?」

(待って今ぼとるため口だったよね?めっちゃカッコよかったんだけど!)



「あ、うん、おはようございます...あの、これ...///」


「あっ、ごめんね!」


と言ってすぐに開放してくれた。


「オハヨウ、二人トモ。ココハ、サバクチホーダヨ。マダ、入リ口ノホウダカライイケド、コレカラ暑クナルヨ。気ヲ付ケテネ。」


「「はーい!」」


そのあと僕たちはトラックにあったジャパリまんを食べた。


「そうだ...ジャパリまんいくつかバックに入れとこう...」


ふと、遠くのほうに緑色のものがみえた。


「ボスさん、あれは何でしょうか?」


「アレハ、オソラクサボテンノ一種ダロウネ、近ヅイテミヨウカ。」


そういい、トラックは、サボテンの近くまで来た。


僕とルルは、トラックを降り、サボテンまで近づき


「不思議な植物ですね。」


「そうだね!とげがついてるよ!」


「ボスさん、サボテンってどんな植物なんですか?」


僕がボスにサボテンの解説を求めたその時、


「...サバクチホー、地下迷宮出口カラノ緊急収集命令ヲ受信。正面ノバイパス経由デノ移動...把握、移動ヲ開始シマス。」


そういい、ボスはトラックに乗って走り去ってしまった。


「「ボス!?」さん!?」


「まって!!」


ルルが、止めようとした時には、砂山の陰に隠れて見えなくなっていた。


「「えっ...」」


僕たちは一度顔を見合わせた。


「「ええぇーーーーーーーーーーー!!!!!!」」


「どうしよう!?どうしよう!?」


「おおおおっおおおちついてくだっさい!!!!」


「ぼとるがまず落ち着いて!」


「ふ、ふぅ...深呼吸ぅ....ふぅ...」


「私も...ふぅ...」


「...」


「...」


「...どうする?」


「バックの中身を確認してみましょう。」


バックの中には、ジャンパーと鶯色の短パン、3本の水が入ったペットボトルと3つのジャパリまんが入っていた。


「あと...ツタ...?」


それと頑丈そうなツタが入っていた。


「あ!それね、じゃんぐるのお土産として持ってきたの!」


「へぇ~、ずいぶん頑丈ですね。」


バックにはそれ以外入ってなかった。


「...この量の水とジャパリまんでいつまで生き残れるのか...」


「どうする?ボスを追いかける?」


「うーん、そうしましょうか。ボスさんは確か正面のばいぱす?って言ってましたし。まっすぐ行きましょう!」




~正午ごろ~


「さすがに砂漠の太陽はキツイですね...」


「日影がほしいよぉ~...」


「どのくらい歩いたのでしょう...」


「今、太陽が真上だからそんなに経ってないと思う...」


「少し水を飲みましょうか...」


「私も...」


二人はそれぞれ、ペットボトル半分くらいまで飲んだ。


「ジャパリまんは温存しときましょう...」


そのあとも少しずつ、水を消費していった。



~日が沈み始めたころ~


「なんだか寒くない?」


「そうですね...さっきまであんなに暑かったのに...」


僕はそういい、ルルにジャンパーをかけてあげた。


「ありがとう...ぼとるは寒くないの?」


「僕は...平気です!」


「本当?無理してない?」


「本当です!無理なんかしてません!」


「...震えてるけど?」


「これは...武者震い!武者震いです!」


「なんか意味違くない?」


するとそこにへ、


「あの~そこのお二人さん?もしかして、砂漠で遭難ですか?」


「あ、まぁ、はい。そういうことになりますね。」


「君は?」


「あぁ、申し遅れました。あたしはハンターのリムガゼルです。気軽にリムルとでもお呼びください。」


「僕はぼとるです!」


「私はトムソンガゼルのルル!」


「お二人とも寒そうですね。よかったらあたしのお家で一休みしていきませんか?」


「いいんですか?」


「まぁ、困ってるフレンズを放っておくなんて、あたしにはできないですし。」


「ありがとうございます!」


「こっちです。ついてきてください。」


10分ほど歩くと大きな岩が見えてきた。


「ここです、ここをくぐってください。」


リムルは岩にある小さな隙間を指さした。


「「お邪魔しまーす。」」


「まぁ、何もなく真っ暗ですが。セルリアンも風も入ってこれないので、安心して眠ることはできるかと。」


「「ありがとう!」ございます!」


「息ぴったりですね。どうぞ、ジャパリまんです。」


「こんなにしてもらっていいんですか?」


「いいんですよ。ジャパリまんはいっぱいありますし、ハンターはフレンズを助けるのが仕事ですから。」


ありがたい話だ、リムルがいなかったら今頃凍え死んでただろう。


「じゃぁ、あたしはそろそろ寝ますね...」


「僕たちも寝ましょうか!」


「うん!」


そういい僕は目を閉じた。

ルルはぼとるが寝たのを確認すると、いつものように膝枕をした。

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