第5話 お部屋にてふるうつ食べよう。

 うーす諸君。メイドのミーナでっす。今朝は廃人エド様がずっと座ったまま、机の上にある、砂がこぼれきった砂時計をずっと眺めていました。私はそれを眺めていました。それは悠久の時を思わせる、何とも形容しがたいアトモスフィアでした。

 すると王女アリアンナ様がいつの間にか部屋にいとうつくしゅうていたり。手には林檎と南国のふるうつ、バニャーニャがありましたとです。

 「エド様、林檎とバニャーニャどちらをお食べになりますの?」

 アリアンナ様がエド様に問いかけると、彼は。

 「あぁ。」と、か細く言う。

 「両方食べます?」と王女。

 「はぁ。」と彼は言う。

 「あぁはぁ。じゃねーよ、a-haかよ。take on meってか、僕を受け入れろって言いたいのかこの80年代筋肉ゴリラ!バニャーニャでも食うとけオラ!」とメイドの私は言う。

 「こら!ミーナ!あなたはいつも考えすぎだわ!エド様は確かに筋肉質だけれどゴリラではないわ。」

 うん王女よそうだけど、そうじゃない。違うとこをつっこんでくれよ。

 この謎やりとりがいつまで続くのだろうか。私も王女も自分たちでやってて馬鹿らしくなる。とその時。確かにエド様が砂時計をひっくり返したのだ。止まっていた時は再び流れ云々。芸術的な表現は私には出来ないが、帰国後初めて能動的に動いたエド様に我々は歓喜した(この時のアリアンナ様可愛すぎてマジ眼福)。

 案外エド様の回復は早いかもシレーヌ。以上駄文失礼メイドのミーナでした。

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憧れの騎士様が廃人になったらしいのです @torinoousama

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