第3話 燃え尽き騎士

 拝啓、諸君。お仕事お疲れ様です!または学生さんはお勉強お疲れ様!!私、一般メイドのミーナです。

 いやね、思うんですよ。何でも頑張りすぎは良くないなーってね。昨日ついに騎士エドワード様が城にお戻りになったんですけど。それは酷い有り様でして、私達が何を言っても「ああ...」とか「ハァ...」しか言わないのです。ええ廃人になっちゃいました彼。自分1人じゃ何も出来なくなってしまって、食事もお着替えも何もかもお手伝いしなければならない始末。輝かしい騎士はどこへやら。

 燃え尽き症候群って言うんですか?きっと彼は外征に出られて魔王だの何だの倒したのは良いものの、人生やり切った感を感じてしまったのでしょう。だからといって半死人になられるのは迷惑だが。

 彼の騎士隊にもお話を伺ったのですが、帰路で急に真っ白になったと言うのです。訳わかめです、全く。

 エド様を心待ちにしていたアリアンナ様といえば、彼が大病じゃなくて安心していたけれども、どうしてよいか混乱されておりました。

 しまいには「私がこれからエドワードのお世話をします。お風呂にも私が入れます!ご飯も私が食べさせます!寝るときには、枕元でお話ししてあげます!」

 とかアリアンナ様が言い出して。「いやいや、あなた王女よ?あなたがこれから目指すのは介護士ですか!?」と私が言ったところ。

 「いいえ、私はエド様のママになります。」とのこと。

 ああ私はこの時まで忘れていました。この王女も少し可笑しな子でした。

 オーマイガァです。あーあ、これからしんどそう。

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