第2話 そろそろ帰ってきそう
時は流れ数年後。私ミーナは元気で今日もお仕事しております!しかし、我が敬愛なる王女アリアンナ様といえばずっと悲しげなお顔をされておりました。でも今日こそ彼女の美しいお顔は晴れ渡り、曇天の空さえもかき消し!幸せオーラで私を苦しめて下さる事でしょう!ああなんと待ち遠しい。
そうです諸君。エド様がもうすぐ帰還されるのです。伝令の方が知らせに来たので間違いないですという噂を盗み聞いたのだ。
そうと決まればすぐ報告だァー卍
私は急いで城を駆け回り(メイドの偉いおばあに怒られ)アリアンナ様の居場所まで猛ダッシュ!バラ園におられた彼女はいつものように儚く佇んでいらしたという(一般メイド談)。
「ァァァァァアリアンナ様ぁ!とっても卍なお知らせですよぉぉぉーー」遠くからダッシュで叫ぶ私を想像してくれ。
しかし、彼女の瞳には涙がたまりここ数年で最も悲しげだった。私はこの時のバカみたいなテンションを流石に恥じた。調子に乗りすぎたと認めます。そして彼女は静かに、涙をこらえながら話した。
「エド様が帰ってきてらっしゃるの。でもミーナ...エド様の体調が優れないらしいのです。もしあの人が酷い病状だったら私...。」
そこまで言うとアリアンナ様は泣き出してしまった。私は非常に困って、とりあえず彼女の前であーでもないこーでもないと喋ったり動いたりした。下手な言葉は余計に悲しませるし、だいたい本気で泣いてる人の対処なんて私に出来ないのだ。でも私は彼女が何だかんだ大好きなので泣いて欲しくはない、悲しんで欲しくない。回らない頭をフル回転させ取りあえず彼女をお部屋に連れて行き、紅茶をいれ落ち着かせる事にした(私の紅茶は最強ッ!)。
このときの私は考えていた。エド様の体調が悪いといっても、そこまで酷くないでしょ...と。あの完全無欠お兄さんが病気なんて想像出来なかった。
実際、想像以上に深刻だった。
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