憧れの騎士様が廃人になったらしいのです
@torinoousama
第1話 王女の愛は面倒くさい
王国の若き光、騎士長エドワード様が愛馬に跨がり姿を現すと観衆は歓声を上げ、その出立を喜んだ。
屈強な男たちでさえエドワード様の持つ数々の武勇を認め、尊敬し、街の若い女たちは彼の麗しく、されども威厳のある顔立ちに恋をした。完全無欠を絵に描いたような存在、これがエドワード様を最も正しく表現する言葉であった。
「だけどね、意外に虫は苦手で林檎は皮を剥く派で、涙もろくてこの間も劇を一緒に観に行ったとき...、ああ!あとね!愛馬のララとは毎朝お喋りしてるのよ!そんなお茶目さを持ちつつも筋トレも毎日欠かさず...ねえミーナ聞いてます??」
と長々惚気るのはエドワードの許婚であり王女のアリアンナ様だ。とても若い美しい羨ましい。彼女はエドワード様(以下エド様)のこととなると呼吸困難で死んでも可笑しくないほど喋り続けるのだ。愛が重い人なのでしょう。
こんな猛毒の惚気を聞かされ続けるメイドの身になってみてくれ諸君。いつか泡吹いて倒れそうだ。と愚痴る私はしがないメイドのミーナです。よろしく。
とはいえ、アリアンナ様がいつもより多めに喋り続けるのも致し方なしだ。エド様は今日から外征に出られ、いつ帰って来るのかわからないのだ。生きて帰ってくるのかさえ怪しい(けして死亡フラグじゃない。)
私も仮に好きな人が出来てその人が戦場なんか行ってしまったら悲しいもん。きっと泣くね。
まあお二人とも頑張って下さい的な感じでしまらないすかね?この話は私ミーナの日記みたいなもので、騎士と王女の物語をつまみ食いするスタイルなんでどうぞよろしく。
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